2019年3月8日 金曜日
【症例】恥骨結合離開により歩行困難からの改善例
産後から歩行困難に陥り、医師からは恥骨結合離開と診断された。産後はこんなもんだからそのうち治りますよ言われた。しかしながら、時間が経っても痛みは引かず、普通に歩く事が困難であった。このまま治らないのではと怖くなり来院された。そんな方の回復までの道のりをご説明します。
利用者
30代女性 吹田市在住主症状
恥骨結合離開その他の症状
特に無し過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
ファイヤリングシークエンス
骨盤矯正施術の経過と内容
1回目
恥骨の痛みにより通常歩行困難。
後ろ向きであれば何とか移動可能。
下肢の浮腫みが強い。
先ずは、座位での浮腫みの除去を行なう。
同時に下肢の過緊張を取り除く。
骨盤底筋の入れ方指導。 2回目
2日後来院
歩行スピードはアップ。
施術としては前回と同内容で実施。
母趾球荷重を意識させて、身体の中心部分に力が入るようにする。 3回目
2日後来院
歩行は普通に出来るようになってきたが、恐怖心が強い。
段差で痛みが生じないようなトレーニング&施術を行なう。 4回目
3日後来院
寝返りなど回旋動作において恥骨の痛みが生じる。
歩行時などの前後の動きは問題無い。 5回目
3日後来院
寝返り動作も可能になったので、
今までは座位での施術を行っていたが、臥位での施術を行なう。
これにより、更に骨盤周囲の細かい部分の調整が可能へ。
最近、肩周囲の痛みを強く感じるようになったとの事でチェックすると、
非常に筋緊張が強かったので、肩周囲の調整も同時に行う。 6~10回目
基本的に恥骨の痛みは落ちついており、
歩行は以前と同じように可能、寝返りも可能、大股になっても痛みは出ない。
しかしながら、側臥位で寝ているとたまに恥骨の痛み・違和感を生じる。
骨盤の安定性がまだ不完全であると判断し、
骨盤の安定性を高めるようなトレーニング指導や骨盤矯正を行なう。
肩の痛みは、落ち着いており、あまり気にならない程度へなった。 11~13回目
恥骨の痛み、側臥位であっても生じないようになった。
骨盤の不安定性もなく、歪みが無く良い状態で締まっている。
体重は-4㎏へと変化が出た。
本人の希望もあり、身体を絞る為のトレーニング指導を行い、一旦産後のケアを終了とした。考察
今回の症例は産後からの恥骨結合離開であった。 恥骨結合とは左右の恥骨をつなぐ繊維軟骨で、
衝撃の吸収や骨同士の接触による損傷を防ぐクッションのような役割をします。 恥骨結合の上側は上恥骨靭帯、下側は恥骨弓靭帯が付着し恥骨結合を補強しています。
恥骨結合は強靭な結合組織で固定されているので本来はほとんど動くことがありません。
しかしながら、妊娠中~産後に掛けてはホルモンの関係もあり、恥骨結合が緩むと考えられています。 特に赤ちゃんが大きいとよりストレスが掛かったり、
出産時の吸引ストレスが強かったりすると、恥骨結合にストレスが掛かり恥骨結合離開に繋がる事が多い。 産院は子供を産ませるのが専門であり、出産後の事はあまり得意にはしていない所が多い。
その為、恥骨の痛みにより歩行困難になっても「そのうち治る」と言われることが多い。
しかしながら現状、痛みで歩けない、寝返りできない、動けない側としては今すぐどうにかしてほしいのが心情である。
また、言われたように経過観察をしていても一向に痛みが改善しない方が殆どである。 恥骨結合離開は、体力や元々持っている筋力等にもより個人差はあるが、
しっかりとケアを行えば比較的早期に痛みは落ち着くし、歩行も可能である。 大まかに言うと、骨盤の歪みを整え、乱れてしまったファイヤリングシークエンスを
再教育する事で症状は落ち着きます。 幸運にも、産後に恥骨の痛みが強かったけども勝手に治った!という方も注意が必要です。
そう言った場合、骨盤の歪み等は残ったままなので再発する可能性が高い事と、
更年期になった時にその時の負の遺産が原因で色々な症状を起こしたりする事が多いのです。
ですので、産後で歩行するのもつらいような恥骨の痛みを生じた方は出来る限り早期に専門院を受診するようにしてみて下さいね。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 恥骨結合離開【症例】