子供の姿勢(猫背)

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そもそもいい姿勢とは?
よく姿勢矯正のビフォーアフターで以下のような写真を見かけます。
この姿勢をいい姿勢と捉えてしまうと非常に危険です。
力学的に質量中心(重さの中心)もずれていますし
そして何より交感神経優位の状態です。(興奮状態)
何か面接がる時などはこれでいいでしょう。
しかし、これに近い状態を常に求めると
お子さんは疲弊してしまい
さらには攻撃的で常にイライラした状態になってしまうでしょう。
姿勢は勝手に決まります
本来姿勢というのはその時の状況に合わせたベストな状態が勝手に決まります。
上で自律神経の話が出てきましたが
交感神経優位の時にはそれらに反応する筋肉にスイッチが入ります。
逆に副交感神経優位の時にはそれらの筋肉はオフになります。
それを意識的に変えるのはいろんな問題が起こってきます。
緩みたいときに緩めなくなるので睡眠の質などにも影響が出てしまいます。
固定化しないようにしないといけない
ただし、以下のような写真がいいというわけではありません。
いいというわけではありませんが、悪いわけでもありません。
どんな姿勢もとれる状態がベストであり
静止画でこれがいいとか悪いを判断はできません。
胸を張った姿勢も取れるし、力を抜いたまるまった姿勢もとれる。
つまり動きのある状態そしてお子さんが楽そうでイキイキしている状態が本来の良い状態です。
姿勢の状態のチェック方法
抱っこする
抱っこできる大きさの子供であれば抱っこしてあげてください。その時に背中は無理なく丸くなってコンパクトに抱っこできていますか?
逆に背骨に硬さを感じませんか?
でんぐり返りをする
でんぐり返りは綺麗に丸まれていますか?背骨が棒のように硬くなってでんぐり返りが崩れていませんか?
これらができていないと緩むことができていない可能性が高く
背骨も固定化されてきている可能性があります。
歪みを起こす原因
- 習慣(環境)
- 内臓
- 自律神経
- 感覚器の異常
- 発達の問題
習慣(環境)
ゲームを長時間している、いつも歪んだ椅子に座っている、同じ方向のTVを見ている、足のつかない椅子で食事をしている、お父さんやお母さんの姿勢が悪いetc
内臓
内臓の状態が悪いと歪みが起こります。これは病気と呼ばれるレベルでなくても起こります。例えば常にお腹が痛い状態が続いているとどうでしょうか?
自然と前屈みの姿勢になると思います。そのような状態が固定化されてしまうと歪みになります。
自律神経
学校や塾またご自宅でも常に緊張状態にあったり逆にスイッチが入っていない状態だと自然に姿勢は崩れてしまいます。そこを無視して姿勢だけを指摘することは危険です。
感覚器の異常
最も見逃される原因の一つです。人間は視覚、前庭覚、固有覚と呼ばれる感覚器でバランスをとっています。
実はお子さんは目の見え方が違っていたり前庭感覚が弱かったりすることで姿勢の崩れが起こっていることがあります。
乗り物よいしやすいなどがあれば注意が必要です。
またかみ合わせや呼吸の状態でも姿勢の崩れが起こります。
発達発育
発達の関係上、背中の筋肉にスイッチが入っていなかったり原始反射が残存していたり中心の感覚が弱かったりすることで姿勢が崩れていることがあります。
子供の姿勢の改善の仕方
当院では静止画の姿勢の良し悪しは参考程度にしかしません。
チェックポイントは
- あらゆる動きができるか
- 中心感覚があるか
- 本来の力が発揮できているか
- 睡眠の質
- 気持ちの落ち着き
- そして何より子供が楽かどうか
姿勢が崩れてる子は何かしらの体に緊張があります。
そのしんどさに本人が気づいている場合もあるし気づいていない場合もあります。
まずはそれらに気づいてあげ楽にしてあげることが重要です。
心身のバランスが取れて動きが出ていれば
「必要な時に必要な姿勢がとれる状態になります」
姿勢を改善される目的での体感トレーニングや
姿勢矯正ベルトなどは全く無意味と言って良いでしょう。
むしろ子供を苦しめる行為だと理解してください。
歯列矯正を受けられている方は一緒に姿勢の矯正を受けられることをお勧めします
最近では歯科医院からんご紹介も増えてきました。
歯科でも姿勢と咬合の関係性が指摘されています。
歯列を無理やり矯正しても姿勢が改善していなければ余計にバランスが崩れ
感覚入力が変わり自律神経の乱れを起こす可能性も考えられます。
どれぐらいの期間で改善するのか?
環境によって大きく変わります。
順調にいくと1〜2回の施術でも変化は感じられると思います。
ただし、環境が悪いと安定化はしません(本人の意識ではなく環境です)
数回施術を行い安定してくるとその後は成長のポイントごとにチェックし調整することをお勧めしています。
姿勢の崩れはお子さんの体からのメッセージです。
そのメッセージに耳を傾けてあげてください。