2019年11月1日 金曜日
【症例】産後から骨盤がグラグラで力が入らない症状でお悩みだった方の解消例
産後から骨盤がグラグラ感を生じるようになり、実際歩行時や立ったり座ったりする時にグラグラ感により力が入りにくくなり困っていた。勿論、自分でも産前に比べて体が違うのは解っていたが、家族からも歩き方が変だよと指摘されるくらいのペンギン歩きになっていた。そんな方の回復までの道のりを解説していきますね。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
骨盤のグラグラ感その他の症状
肩甲骨内側の痛み過去に受けていた施術
鍼灸
整体主な施術ポイント
関節の安定性獲得施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、骨盤のグラグラ感がある。
寝返り時や前に屈んだり反らせる時等に仙腸関節周辺に痛みを生じる。
骨盤チェックを行なうと、骨盤の歪みがあり、関節の不安定性がある。
左肩甲骨内側の痛みがある。
前からいつも左半身に痛みが生じやすいとの事。
骨盤矯正を行い、肩甲骨周囲の筋緊張部位のリリースを行なう。
骨盤底筋の入れ方指導実施。 2回目
2日後来院
骨盤のグラグラ感軽減。
仰向けに寝ている時に少し痛みを伴う。
骨盤の歪みは無し。前回後の状態を維持できている。
左肩甲骨内側のこり感が残存。
施術は前回と同内容で、骨盤の安定性を高めるような施術を行なう。
肩甲胸郭関節へのアプローチを追加で行なう。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。
肩甲骨のこり感解消の為のセルフケア指導。 3回目
1週間後来院
骨盤のグラグラ感ほぼ解消。
肩甲骨の痛みが頚部の方まで上昇してきた。
子供の体調不良でずっと抱っこをしていた事が影響していると考えられる。
骨盤の歪み、安定性は問題ないレベルまで変化。
その為、肩甲骨周囲の調整を中心に行なう。
施術は基本的には前回までと同内容で実施し、頚椎の調整を追加で行なう。 5~7回目
骨盤のグラグラ感は消失。
肩甲骨の痛みはほぼ消失。
骨盤の歪み、安定性共に問題なし。
肩甲胸郭関節など、肩甲骨周囲は問題ない範囲内へ変化。
最近は、子供の夜泣きが酷いので中々寝れない。
その為、寝不足で疲労感が強い。朝起きても身体がだるい。
イライラが生じ、上の子供に当たってしまっているのが辛い。
施術は疲労除去を主目的にした頭蓋矯正や、リンパトレナージなどの循環改善を中心に行う。
骨盤底筋と下肢の筋肉を連動させたトレーニング指導実施。 8回目~
睡眠時間は相変わらず少ないが、
疲労感は大分軽減した。
朝起きてもだるさはそこまで強くなくなったので、上の子供に当たる事も少なくなった。
現在は、通院間隔を空けて疲労感や痛みが蓄積しないようにメンテナンスを行ない、
経過観察をしながら、体重・体脂肪率を産前の状態に戻したいとの事であったので、
その目標に向けてトレーニング指導や食事指導、身体の調整を行なっている。考察
今回の症例は産後からの骨盤のグラグラ感が主訴で、肩甲骨内側の痛みでもお悩みのケースであった。 産後に骨盤のグラグラ感を生じる方は非常に多い。
歩いていたり、起居動作時に骨盤がグラグラして力が入らないというケースが多い。
自覚的にも他覚的にも歩いている感じが依然と違っており、
ペンギンみたいな歩き方をしていると言われる方が非常に多い。 このようにグラグラ感を感じている方は、
実際に骨盤の状態を検査するとまさにその通りの言葉ではあるが、グラグラしています。
本来は関節はカチッと止まる所があるはずなのにグニャグニャとしていてカチッと止まりません。 その状態で日常生活を送り、かつ育児生活を送る事が出来ている事にいつも驚かされています。
恐らく、母親としての使命感がそうさせているのでしょう。
いわゆる気持ちだけで耐えている状態。根性論ですね。 では、その骨盤がグラグラする原因は何なのかという事ですが、
それは、骨盤を構成する関節がホルモンの関係で緩んでしまっている事や、
骨と一緒に身体を支えるはずの筋肉が低下してしまっている事が大きな要因であると考えられます。 その中でも、重要なのが骨盤底筋という筋肉である。
近年はヨガの普及などもあり、この言葉を聞いたことがある方は大分増えてきてます。
但し、言葉は聞いたことあるけど、その筋肉がどこにあって、どんな働きをして、
どの様にトレーニングしたら良いのか?までを知っている方は稀です。 知っていると仰った方でも、実際実践してもらうと、ちゃんと骨盤底筋を使えてない事が大半です。
慣れてしまえば簡単ですが、骨盤底筋トレーニングは非常に繊細です。 産院やネットで見たり聞いたりして、会陰部を取りあえずギュッと締めたら良いのかな?
という感じてイメージされている方が多いです。 間違えではありませんが、それでは50点です。
ギュッと締めた場合は骨盤底筋では無く、殿筋(お尻の筋肉)がメインで力が入っています。
なので、関節の中の部分が力が入っておらず、外側だけ力が入っている状態です。
家で例えると、外はしっかりとした外装であるが、中はボロボロの梁を使っている感じです。
そうすると、地震があった際は中がグラグラなので直ぐに倒れてしまいます。
なので、梁も太くて丈夫な物を使い、外装もしっかりとした物を使うと頑丈な家が完成します。 骨盤も同じで、殿筋と骨盤底筋両方を強化すると、骨盤の安定性は向上します。
勿論、他にも強化するべき部位はあるのですが、この部分はその中でも非常に重要になります。 今回の方も、骨盤を整えて骨盤底筋が入りやすい環境を作ったうえで、
骨盤底筋トレーニングを実施した事によってグラグラ感は割と早期に解決しました。 感覚を掴む時間は個人差はありますが、必ず継続すれば出来るようになります。
産後、グラグラ感があり自分で調べてトレーニングをしているけども、
グラグラが解消されないという方は、
是非、早期に専門の機関にてチェックしてもらう事をお薦めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後骨盤のグラグラ感【症例】