2018年11月16日 金曜日
【症例】手で身体を支えながらでないと動けない腰痛
今回の症例は、産後から腰が痛いと訴える方のケースです。以前は朝起きて顔を洗うのは当たり前のように実施出来ていたのが、屈むのも反るのも手を台に置いて支えが無ければ動作が出来なくなった。そんな日常生活動作に大きな支障をきたした方の回復までの道のりについてご説明します。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
腰痛
肩こりその他の症状
頭痛過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
脊柱の可動性
疲労除去施術の経過と内容
1回目
検査を行っていくと、痛みを訴えている肩や腰に過剰な筋緊張は見受けられない。
しかしながら、朝に顔を洗う時に前かがみになるのが出来ず、
手を付いて支えながら出ないと怖くてとても出来ないとの事だった。
骨格的な問題としては、大きな歪みは見受けられないが脊柱の硬さが見られた。
施術は脊柱の可動性を出し、全身の循環を促すイメージで行う。 2回目
2日後来院
腰を前に屈むのは若干出来るようになったが、起こすのが出来ない。
脊柱のみならず、肋椎関節や胸肋関節の硬さが見うけられる。
施術は前回同様と肋椎関節や胸肋関節の可動性を出す施術も追加。
骨盤底筋の入れ方指導。 3回目
1週間後来院
起き上がり時の腰の痛み変わらず。
肩が一日だけバキバキになって上がらなくなった。
施術は前回同様で実施。
骨盤底筋チェック→弱い→再指導。 4回目
8日後来院
肩、腰の痛みあまり気にならなくなった。
脊柱の硬さや、胸肋関節、肋椎関節の可動性が回復。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋の強化を図るトレーニング指導実施。 5~6回目
子供の抱っこが長時間する事が多く、
痛みとまでは行かないが、腰が重い感じが続いている。
骨格の歪み、可動性の悪さは無いので内臓等の調整を行ない、
循環を促す施術を中心に行なう。
骨盤底筋チェック→当初よりは強くなってきているが症状の再発を防ぐうえでは不十分。 7回目
腰の重い感じは解消。
骨盤底筋チェック→骨盤底筋のみならず下肢の筋肉を動員して、更に骨盤周囲の安定化を図るトレーニング指導実施。 9回目~11回目
子供の抱っこ時間が更に長くなったり、インフルエンザに子供が罹ったり、自身がインフルエンザに罹ったりで
体調が思わしくなく、疲労困憊である。それに伴って、腰・肩の痛みが強くなってきた。
検査を行なうと、歪みなどの骨格的な問題は無かった為、疲労が原因で循環不全を起こした事による症状であると判断。
循環を促す施術を行ない、育児のストレスに耐えうる体に調整をかける。 12回目~
腰痛、肩の痛み共に出ていない。また、以前は週4位あった頭痛も出ていない。
抱っこの時間は以前と頻度は変わっていないが症状を発症することなく生活出来ている。
骨盤底筋チェック→良好。かつ骨盤周囲の筋力強化も進んでおり、骨盤の安定性が出ている。
現在は通院頻度を空けてメンテナンスを行い、経過観察中である。考察
今回の症例は、産後から生じていた腰痛と肩の痛みであった。
初回検査時は腰の痛みで、前に屈んだり反ったりするのが普通には出来ず、
手を台について、支えながらでないと出来なかった。
産後の方で、腰痛や肩こりの方は育児によるストレスで筋緊張が過剰になり、
腰や肩を触るとガチガチになっている方が多い傾向にあるが、
今回の患者さんはそういった、緊張感が全くといって良い程なかった。
そこで、循環の悪さや、関節の可動性が悪いと予測した。
詳しく診ていくと、脊柱や肋椎関節、胸肋関節の可動性低下があり、ここが原因であろうと判断しました。
実際、上記部位の可動性を出すと、腰を反ったり屈んだりという動作の痛みは消失した。
また、上記部位の可動性を出す事によって肩の痛みのアプローチにもなり、肩の痛みも回を追うごとに症状は改善していった。
その後、骨格の問題は解消されたが育児によるストレスが増大して症状が出たり出なかったりをを繰り返した。
この原因としては、疲労除去が出来ていない事であった。
本来は疲労や痛み、違和感等があっても主に睡眠をとる事によって解消されるのだが、
その機能が上手く機能していなかったために症状が出たり出なかったりになっていたと思われる。
その為、施術としては疲労除去をしながら、ストレスに耐えうる体を作る事を念頭に行った。
その一環として、骨盤底筋や下肢の筋力強化が重要であった。
骨盤は体の中心に部位にあり上半身と下半身を連動させる部位である。
その為、この部位が安定していればストレスを受けにくいが、安定していなければ体はストレスを受けやすい。
ストレスを溜め込まないように、疲労除去したりする内側の問題と、長時間の抱っこ等のストレスに耐えれるような、
骨盤の安定性や周囲の安定性を作る等外側の問題とを両方クリア出来れば、今回のように改善出来ると考えられる。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後腰痛【症例】