2020年1月17日 金曜日
【症例】産後特有の背中の痛みからの解消例
産後に背中の痛みを生じる方は非常に多いです。何故なら、産後は抱っこや授乳など頭を下に向けていることが非常に多いから。そうすると首から背中にかけての筋肉は常に引き伸ばされている状態になり、非常に負担が掛かります。痛くてもその動作をしなければならない。では、どのようにしてその動作をしても痛みが出なくなったかの道のりを解説していきますね。
利用者
30代女性 吹田市在住主症状
背中の痛み・痺れその他の症状
膝痛
肩こり
足関節痛過去に受けていた施術
マッサージ
鍼灸治療主な施術ポイント
生理的弯曲姿勢への誘導施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なうと、
背中に痛みが強く、左の背中の辺りに痺れを伴っているとの事。
バックラインの筋緊張は非常に強い。
両膝は屈伸時に痛みを伴う。足関節は両側とも動かしにくい感じ。
肩こりは慢性的に生じている。
骨盤は歪みがあり、関節の不安定性がある。全体的に関節が緩い。
姿勢をチェックすると、やや反り腰。
施術は、背部の筋緊張をリリースし、脊柱の可動性をだす。
恥骨結合や仙腸関節の不安定性を改善するような施術を行なう。
施術後は身体を屈めたり、反ったりするのが楽になる。 2回目
3日後来院
施術後は全体的に楽になったが、
2日後には元に戻ったとの事。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋の入れ方指導。 3回目
6日後来院
背中の痛み、痺れは軽減。
両膝は、子供を抱っこしていなければ痛みは生じない。
肩こり、足関節の症状は残存。
施術は基本は前回までと同内容で実施し、
距骨や脛腓関節などの足に対するアプローチも追加して行う。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。 4回目
9日後来院
背中痛、痺れは良い状態を維持。肩こりは以前に比べればあまり気にならない程度へ。
両膝は若干子供を抱えた状態の時に痛みを生じる事がある。
足関節は前回までより良い状態へ。
骨盤底筋だけでなく、下肢の筋肉も連動したトレーニング指導実施。 5~7回目
背中痛、痺れ、肩こり、足関節の辛さは解消。
両膝の若干の痛みが残る。
施術は引き続き、骨盤の安定性を向上させ、
下肢の筋肉の強化を行い、膝に負担が掛からない環境を作っていく。 8回目
すべての症状が解消される。
当初にあった、背中痛や痺れ、肩こり、両膝痛、足関節の動かしにくさ解消。
姿勢も、生理的弯曲に近い良い状態へ変化した。
右肩から右腰にかけての軽い緊張感があったので、
同部位のリリースを行ない、再発防止に努める。
産後に履けなくなっていたデニムは、
基本的にはお腹の苦しさもなく履けているが、
非常に細いスキニータイプのデニムだけが締まらないとの事。 9回目~
現在は、通院間隔を3週に一回程度に設定して、
痛みの症状が再発しないようにメンテナンスをかけながら、
最後に履けないデニムを履けるように体を整えつつ、
栄養指導やトレーニング指導を実施しながら、経過観察中である。考察
今回の症例は産後からの背中痛と痺れ、
それから、両膝痛と足関節の動かしにくさと肩こりでお悩みの方でした。 背中の痛みを訴える方は非常に多いです。
何故なら、育児をしているとどうしても下を屈むことが多いからです。
下を屈むことが多いという事は、背中は丸まった状態になりやすいです。 筋肉が力を発揮する際は幾つかのパターンがある。
筋肉が縮こまっていく中で力を発揮するパターンや、
筋肉が伸びていく中で力を発揮するパターンや、
縮こまるのと伸びるのとの中間で固定して力を発揮するパターンがあります。 その中でも、伸張性筋収縮といって
筋肉が伸びている状態で力を発揮するパターンが非常にストレスが掛かります。
この状態が背中において起こっているのです。 下を向く事が多いと、胸の筋肉やお腹は縮こまるが、
背中の筋肉は伸びた状態になる。
その状態が短時間であれば問題ないが、
長時間に及ぶと、多大なストレスが掛かる。 その為、背中がバキバキになっている感じがすると、
多くの産後のママが言われるような状態になります。 また、この下向き姿勢のデメリットとして、
背中の筋肉が常に伸ばされた状態になると、
筋力低下にも繋がっていきます。 その為、胸の筋肉は緊張が強くなり、
背中の筋肉は弱くなる傾向にあります。 そうすると、普段下を向いていない状態であっても、
肩は内側に引き寄せられ、背中は丸まった状態になります。 その結果、皆さんがよく気にされている猫背になります。
それを避けようと、胸を張って姿勢を良くしようとしてみても、
猫背姿勢になる骨格や筋肉の発達状態になっているので、意味がありません。 非常にその姿勢はしんどいし、
気が付けば元の姿勢に戻っています。 それを解消する為には、
骨格や、筋肉をしっかりと整える必要性があるのです。
また、その不良姿勢が背中の痛みや肩こりなど他の問題も生み出します。 解消の為には産後に問題が起こりやすい、
骨盤をしっかりと矯正する事が重要になります。
骨盤が不安定だと、痛みの問題も起こるし見た目の問題も起こります。
今回の場合は、痛みの問題に大きく関わっていたと考えられます。 自分では中々気づかない姿勢などの癖は
放っておくと問題を起こす可能性が高いです。
自分で違和感があったり、他者から指摘があれば
早めに専門の機関にて検査をしてもらって下さいね。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後背中の痛み【症例】