2020年8月8日 土曜日
【症例】陸上部ランナー足裏のお悩みからの解消例
陸上部に所属する女子中学生が数日前から足裏の痛みとふくらはぎの重だるさでお悩みでした。この症状のせいで練習などが出来ていませんでした。大会も近づいて来ていたので何とかしたいと考え来院されました。話を聞いていくと故障するべく故障したな、という印象でした。では、どんな理由で故障したのか?また、回復に至った道のりを解説していきますね。
利用者
10代女性 箕面市在住主症状
左足底の痛み
ふくらはぎの重だるさその他の症状
特に無し過去に受けていた施術
整体主な施術ポイント
筋肉のリリースによっての関節の可動性獲得施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
現在陸上部に所属している。
3日前から左舟状骨の下方辺りに痛みを生じている。
歩行時、ランニング時に痛みを生じる。
近くの整体に行っていたが、症状が変わらなかった為来院。
左のふくらはぎはつっぱり感と重だるさがある。
検査を行なった際の印象としては、
全身が硬すぎるということでした。
下半身の筋肉の硬さは勿論、関節の動きも悪い。
上半身も自身では症状は感じていないが、非常に状態が悪い。
上半身も下半身もガチガチの状態で、
これで、よく今まで大きな怪我がなかったのが不思議だと思いました。
まずは、骨盤から下の筋緊張をリリースする事を優先。
筋緊張が強く、足関節、膝関節、股関節、骨盤と全ての関節の可動性が低い。
その中でも、足底の痛みを生じているのは後脛骨筋であると仮定して念入りに調整をおこなう。
下半身を中心とした、ストレッチやケアの方法を指導。 2回目
部活動自体はお休みしているが、
陸上のイベントなどがあり、一日中立っていたりしていたら、
足底の痛みやふくらはぎの張り感が生じた。
施術は基本前回と同内容で実施し、上半身の筋緊張のリリースも行なう。 3回目
今日、10分間走ってみた。
10分過ぎたくらいから、足底の痛みは無かったが
つっぱり感・重だるさがふくらはぎに生じた。
全体の筋緊張は初回に比べ半分以下。
それに伴って、足関節、膝関節、股関節、骨盤の可動性が出てきた。
施術は上記部位の可動性を出すための筋肉のリリースを中心に行なう。 4回目
左足底の痛み、ふくらはぎの重だるさは生じていない。
但し、部活は完全参加ではなく部分参加の状態。
反対側の右足底の辺りに痛みが出てきた。
右の足趾は浮指で地面をしっかりと捉えれてない。
左の痛みが生じたことで、右の症状が出てきたと考えられる。
右のアーチを作るような関節調整や、足趾を使えるようなトレーニング指導実施。 5~6回目
左足底の痛み、左ふくらはぎの重だるさも生じていない。
前回あった、右足底の痛みも消失。
部活にも復帰して、駅伝大会に出場。
練習はせず、ぶっつけ本番の状態であったが、自己ベストのタイムが出て、
チームとしても過去最高の成績だったと喜びの声を頂く。
体を検査しても、初回にあったような筋緊張や関節の可動性の低下は解消。
大会前、大会後の調整や経過観察をしたが、
特に問題は無かった為、今回にて一旦終了とした。考察
今回の症例は、陸上部に所属する選手の足底の痛みとふくらはぎの重だるさでお悩みのケースでした。 初回来院時に問診を行なうと、
3日前から左足底の痛みとふくらはぎの重だるさ・つっぱり感により、
歩行がしにくく、ランニングが出来ない状態に陥っているとの事でした。 大会なども迫っていた事もあり、
直ぐに近くの整体に何度か行ったが、
症状の低下に繋がらなかったので当院に来院された。 検査を行なっていくと驚きの連続でした。
全身の筋肉はガチガチで、関節も動きが悪い。
仰向けで、足を挙上していっても30度位が限界だし、
胡坐は組めないし、足首が固くてしゃがむことも出来ない。
骨盤は動きが悪く、腰を前屈したり、腰を反る動作も出来ない。
こんな状態で、よく今まで大きな怪我をしなかったなと衝撃でした。 聞けば、チームとしてはストレッチなどのケアは一切行わない。
自身もチームメイトも結構色々な痛みを今まで抱えてやってきているとの事。
練習は結構ハードなので、毎日クタクタであるとの事でした。 スポーツをしていると、
しっかりとケアをしていても何かしらの痛みが生じる事はありますが、
ここまでセルフケアをしていないとなると、
いつ大きな問題が生じてもおかしくないなという状態でした。 今回のケースの場合、
足底の痛みを生じていたものを一つだけ挙げるとすれば、
後脛骨筋のストレス過剰であったと考えられます。
そのストレスにより、筋出力も低下していました。 但し、
後脛骨筋だけの問題だったかと言えば、
そうではなく、過剰に負担をかけてしまっていたその他の部分の状態が問題でした。
それが、足関節や膝関節、股関節、骨盤などの動きの悪さ。
また、その動きの悪さを作り出していた、各関節周囲の過剰な筋緊張でした。 10代は回復力は高い為、ある程度無理は効きます。
しかし、身体的にはまだまだ未発達の段階です。
その状態で、過度なストレスを受け、
そのストレス状態を放置していると遅かれ早かれ問題が生じます。 そうならない為にも、
普段からのストレッチなどのセルフケアが重要なのです。 自分の体の癖や使い方などを把握する出来ているかも重要です。
今回のケースのように、陸上部でトラックを同じ方向で常に走っていると、
体の使い方のアンバランスは出てきます。
そういった事を把握していた上で、
そのアンバランスを整える為のトレーニングやストレッチなどが重要なのです。 親御さんにお伝えしたいのが、
子供はスポーツが好きであれば好きであるほど、
試合に出たい、練習休めない、上手くなりたいなどという感情があると、
子供は痛みがあっても、ギリギリまで我慢する傾向にあります。
今回のケースでは出場したい大会に間に合いましたが、
情態によっては、試合寸前になってからケアをしても間に合わない場合もあります。 そんな、悲しいことにお子さんをあわせたくないので、
普段から体調はどうか聞いたり、動作を見ていつもと変わった事は無いかとか、
常にアンテナを張ったり、コミュニケーションをとってください。 何かおかしいと思ったら、早め早めの対策をお勧めします。 最後に選手にお伝えしたのは、
普段のケアはめんどくさいかもしれませんがメチャメチャ大切です。
今、しない事で後で後悔します。
そうならない為にも、皆がしてなくても自分はしっかりとケアをするようにして下さいね! ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : スポーツ障害【症例】