2020年6月26日 金曜日
【症例】妊娠中のお尻から太腿にかけての症状でお悩みだった方の解消例
今回が2人目の妊娠中だが、1人目の時も同様に殿部から太腿裏にかけての痛みでお悩みでした。1人目の時もあったので仕方がないものと我慢していたが、流石に我慢できなくなって来院されました。他にも恥骨痛や肩こり、頭痛などでお悩みでした。我慢せずに来院されたことで、良い状態で分娩に望めるような体に至った道のりを解説します。

利用者
20代女性 池田市在住
主症状
殿部から太腿裏にかけての痛み
その他の症状
恥骨痛
肩こり
頭痛
過去に受けていた施術
鍼灸治療
主な施術ポイント
関節の安定性獲得
筋緊張の除去
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
妊娠21週で両側の殿部から太腿裏にかけて、
歩行時や動きだし時、座っていても痛いとのこと。
また、恥骨痛が何かの拍子で生じ、
肩こり、頭痛が慢性的にあるとのことでした。
1人目妊娠時も同じような症状があったが、
その際は何とか乗り越えられたが、
今回は我慢をしていたが、もう限界とのことで来院された。
検査を行なうと、体全体の筋緊張が非常に強い。
それに対して、関節は骨盤を中心として不安定性が高く、グラグラ。
緊張部位のリリースと関節不安定性が高い部位の安定性を高める施術を行なう。
腹圧を高めるようなトレーニング指導実施。
2回目
5日後来院
殿部から太腿裏にかけての痛みはほぼ消失。
恥骨痛は今の所なし。
肩こりはましにはなったが、まだ辛い。
頭痛に関しては今の所なし。
体全体の筋緊張は低下傾向。
関節の不安定性は未だ残存。
施術は前回と基本的に同内容で実施。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
3回目
1週間後来院
殿部から太腿裏の痛みはその後出ていない。
今は、肩こりが一番気になるとのこと。
その為、肩こりに対するアプローチを中心におこなう。
体をチェックすると、循環不良の反応があったので、
循環を高める施術と、胸郭などの骨格調整も行なう。
4~7回目
その後、殿部から大腿裏の痛みは再発なし。
恥骨の痛みも再発なし。
頭痛に関しては、通院後ほぼ発症しなくなったが、
肩こりに関しては育児の状況によってはしんどくなったりと波があった。
また、お腹の赤ちゃんの成長によって、
むくみ、下肢のだるさ、尾骨の痛みなどが生じたが、
体のケアをしっかりと行い、指導したセルフケアを実施すれば、
大きな問題とはならなかった。
状態としては、大きなストレスが無い状態になったため、
32週のタイミングで一旦マタニティケアを終了とした。
考察
今回の症例は、妊娠してから殿部から大腿裏にかけての痛みや、
恥骨痛、肩こり、頭痛でお悩みのケースでした。
今回、2回目の妊娠であったが、
1回目の妊娠時も同じように、
殿部から大腿裏にかけての痛みを生じていた。
その際は、
我慢出来る程度であったので、
そのまま放置していて、
どうしてもしんどい時だけ、
鍼灸治療を数回行っていたとの事でした。
1人目出産後、産後のケアも特に行わずにいて、
今回2人目を妊娠しだしてから、
また、前回と同様に殿部から大腿裏にかけての動きだし時、歩行時、座っている時に
痛みを生じるようになった。
前回と違ったのは、
前回よりも痛みの程度が強く、
しばらくは我慢していたが、
我慢できなくなって、
21週というタイミングで来院されました。
他の症状としては、
恥骨痛が時々生じていて、
肩こり、頭痛が慢性的にあるとの事でした。
殿部から太腿裏にかけての痛みの原因は、
骨盤の安定性の低下と、筋緊張の亢進であったと考えられます。
妊娠中や産後直ぐはホルモンバランスが大きく変わります。
ホルモンの作用により、
全身の関節が緩むようになります。
骨盤は本来動かない関節と言われているくらい安定している関節ですが、
それが、ホルモンの関係で緩みが生じます。
ホルモンが適度に放出されていれば問題無いですが、
過剰に放出されると、関節もより緩みが生じます。
また、元々むくみが出やすい方は、更に関節の緩みが生じやすいです。
そうなると、
骨盤にお子さんをやどすなど、
骨盤周囲には大きなストレスが掛かりますが、
関節が過剰に緩んでしまっている為に、
周囲の筋肉がいつも以上に頑張って支えないとダメな状況になります。
すると、
筋肉は常に全力で支えている状態になるので、
ガチガチになってきます。
本来、筋肉は縮んだり、緩んだりを繰り返しているのですが、
常に縮んだ状態でいる事になります。
その状態で、
歩いたり、動作の動きだしをしようとすると、
筋肉がしっかりと伸びない為、
筋肉が引っ付いている関節(骨)に負担が掛かります。
今回の場合はこういった、機序によって痛みを生じてました。
妊娠中は心身の変化が大きいです。
お腹の中の赤ちゃんが住み易いように、
自然と変化していきます。
しかし、時としてその変化が母体に負担を掛けることが多々あります。
母体も楽な状態、赤ちゃんも楽な状態を作るためには、
歪みが無い事、循環が保たれている事などが重要になります。
これらがしっかりと整っていれば、
実は、お母さんも赤ちゃんも楽な状態になれます。
違和感や痛みがあれば、
妊娠中はこんなもんと思わずに、
早め早めのケアが重要になってきます。
遅くなれば、体への負担は確実に増えている状況なので、
出来る事も少なくなってしまいます。
歪みや循環不良がない、
良い状態を作って、快適なマタニティライフをおくってくださいね。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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