2020年8月22日 土曜日
【症例】妊娠中、体の後ろ側の症状でお悩みだった方の解消例
マタニティで初回来院時が27週。背中、腰、殿部に症状が生じていました。妊娠中はそんなものと言われていたのもあり、ある程度は我慢していたが、座っていても、寝ていても、くしゃみなどをしてもどこかしらが痛みを生じるので、我慢できなくなって来院されました。妊娠中は体の変化が非常に多いのでこういったトラブルはよく起こりえます。では、そんな方が回復に至ったまでの道のりを解説していきますね。

利用者
30代女性 豊中市在住
主症状
背部痛
腰痛
左殿部痛
その他の症状
特に無し
過去に受けていた施術
整体
主な施術ポイント
関節、筋肉の偏った使い方の調整
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
現在妊娠27週。
背中は特に座っている状態で痛みを生じる。
腰は仰向けに寝ると痛みを生じる。くしゃみでも生じる。
左殿部の仙腸関節辺りに痛みを生じる。
検査を行なうと、
右の仙腸関節が緩い。
左は仙腸関節が固い。
反り腰が強い。
右の脊柱起立筋の緊張が強い。
施術は、右脊柱起立筋のリリースを行なう。
骨盤底筋の入れ方指導。
右仙腸関節の安定性を出す。
座位で身体に負担が掛からないような座り方指導。
2回目
翌日来院
背中の痛みは、普通にしていれば大丈夫だが、
仕事中は痛みが生じた。
腰と左殿部の痛みはまし。
右仙腸関節の緩さ、左仙腸関節の硬さ、反り腰はまし。
施術は昨日と同内容で実施。
3回目
1週間後来院
腰、左臀部は大丈夫。
背中の痛みが残る。
仕事、運転で30~40分程度座っていると生じる。
右脊柱起立筋緊張+
施術は右起立筋のリリース、
肋椎関節、肋間の調整を行なう。
また、側胸部の硬さが顕著なので、
同部位のリリースとセルフケアを指導。
4~6回目
腰、左臀部は良好。
背中は完全に消失してはいないが、
そんなに気にならない程度へ変化。
右仙腸関節の緩みも問題無い範囲内へ。
反り腰も問題無い範囲内へ。
やや、骨盤底筋の出力が弱い。
再度指導を行なう。
7~9回目
産休に入った。
背中、腰、左臀部全て良好。
出産予定日の半月前となり、
状態も安定していたので、
一旦マタニティケアを終了とした。
考察
今回の症例は、妊娠中の背中、腰痛、左殿部痛でお悩みのケースでした。
腰痛と左殿部痛に関しての原因は、
仙腸関節の問題でした。
右仙腸関節が緩くなっており、
反対側の左仙腸関節は固くなっていました。
これにより、左右の仙腸関節のバランスが悪くなり、
動きが悪い方の左側に無理がかかり左殿部痛を生じていたと考えられます。
施術としては、緩くなっている右仙腸関節の安定性を出し、
左仙腸関節の可動性を出す施術を中心におこないました。
左右のバランスを整えてあげることによって、
片側に負担が掛かることなく、
バランスよく骨盤が動くことが可能になり、
腰痛、左殿部痛は低下していきました。
妊娠中はホルモンバランスが大きく変わります。
どうしても、お子さんが宿る骨盤周囲は特に負担が掛かります。
普段は動かない仙腸関節がリラキシンというホルモンの作用で緩みが生じます。
そこに、日常生活での偏った使い方をしていると、
片方は緩く、片側は固くなる。という事もよくあります。
それらのバランスを整えてあげて、
関節の緩みを必要最低限に抑えてあげることが重要になります。
その為には、骨格調整、筋力トレーニング(特に骨盤底筋)が必要になります。
背部の痛みに関しては、
身体の癖が関係していると考えられます。
特に筋膜ラインでいうと、
アームラインが重要になってきます。
指先の細かい作業が多かったり、
運転や座り仕事が多く、同じ姿勢でいる方は
アームラインに負担がかかり、
それが背中の症状として出現します。
癖は自分で気づく場合もありますが、
中々全てを自分で気づけていない方が多いのが現状です。
癖を自分で把握していて、
それに対するケアをされている方と、
自分の癖を知らずにそのまま放置していて、
どんどん歪みが悪化してくるのでは全然違います。
そうならない為にも、
自分の身体はどうなっているのかをチェックしてもらう事が重要です。
痛みが出ている場合は勿論ですが、違和感程度でも必要だと思います。
早めに対応すれば、
後々大きな問題になりません。
特に妊娠中は後期になるにつれて、
体重が増えたり、関節の緩みが増えたり、むくみが出てきたりと身体の変化が大きくなります。
専門の機関にてしっかりと身体の状態をチェックしてもらい、
癖を把握する事、それに対するケアの方法を指導してもらう事が、
快適なマタニティ生活を送るポイントになりますよ!
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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