2019年6月14日 金曜日
【症例】寝たり、寝返りをしようとすると痛む事でお悩みの方の改善例
今回の症例は、産後から寝転んだり寝返りをしようとすると腰に痛みを生じるという事でお悩みのケースでした。産後は骨盤の不安定が高くなる。骨盤には仙腸関節と恥骨結合という関節があるが、この部分が不安定になると身体を捻ったり、関節に体重がかかると問題が起きやすい。今回もまさにそのケースであった。そんな状態からの回復の道筋を解説していきますね。
利用者
20代女性 箕面市在住主症状
腰痛その他の症状
肩こり
頭痛
疲労感過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
仙腸関節施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、腰は寝返り時や寝ようとして横になろうとする時に痛みを生じる。
肩こりは昔からあり、産後特に強く感じる。
肩こりが強くなれば頭痛も伴ってくるとの事。
また、最近疲労感が強く朝起きるとしんどい。
検査を行なうと、仙腸関節・脊柱の可動性が非常に低い。
身体全体が重たく、循環不全になっていると考えられる。
先ずは、仙腸関節の矯正を行なうと寝返り時の痛みは消失。
全身の循環を促すイメージで全身調整を行なう。
また、仙腸関節や脊柱に過度に負担が掛からないような
座り方を指導する(授乳中特に重要) 2回目
3日後来院
施術後2日目から症状が徐々に戻ってきて、
腰の痛みが生じる状態へなっている。
肩こりもあり、疲労感も変わらず。
施術は前回と同内容で実施し、肩周囲の筋肉や関節調整を追加で行う。
また、骨盤底筋の入れ方指導実施。 3回目
6日後来院
腰の痛みは消失。
仙腸関節の可動性の悪さはほぼ改善。
疲労感はややまし。肩こりは残存。頭痛は今の所出ていない。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋強化の為のトレーニング指導実施。 4回目
8日後来院
腰の痛み、肩こり、頭痛、疲労感共に解消。
仙腸関節・脊柱の可動性も良好。
肩周囲の関節や筋肉の状態も悪くない。
肩周囲の状態を維持する為のセルフケアを指導。 5回目
2週間後来院
体調良好。
最近は体調が良くなってきたので、毎朝ウォーキングするようにしてる。
骨盤底筋チェック→良好→更に下肢の筋肉を連動したトレーニング指導実施。 6~9回目
その後も体調は良好状態を維持。
産後直ぐにあった痛みもすべて解消され、
施術者側からみても、関節・筋肉の状態は問題なく、
産後に履けなかったパンツも履けるようになった。
この間は通院間隔を空けてメンテナンスを行ない、
経過観察をしていたが問題無かった為、
産後の骨盤矯正を終了とした。考察
今回の症例は産後からの腰痛が主訴で肩こり・頭痛・疲労感も伴っているケースであった。 腰の痛みの原因となっていたのは今回の場合は仙腸関節であった。
仙腸関節は諸説はあるが、医学界では本来動かない関節であると言われている。
しかし、妊娠中や産後は1mm~2㎜程度は動くと我々は捉えている。 本来、仙腸関節は身体の中心にある骨盤にあり、上半身と下半身を連動させたり体重をしっかりと支える働きがある。
しかし、先程も述べたように妊娠中や産後はホルモンバランスの影響もあり、
この関節が動く。そうすると、今まではガッチリと固定して身体を安定させていた所がグラグラとなる為、
仙腸関節にストレスが加わった時(寝返り時・身体を前後屈時など)に支えきれず痛みが生じていると考えられる。 仙腸関節の1㎜~2㎜動いた所ははミカンのネットのように今までには無かった隙間が出来る。
そうすると、身体はその隙間を埋めようとして別の結合組織が入ってくる。
そうなると仙腸関節は広がった状態で固まってしまう。 その後どうなるとかいうと、骨盤は広がった状態になる。
産後、産前に履いてたパンツが履けなくなったとか、
骨盤周りが大きくなった気がすると言われる方はこのあたりが原因になっている方が多い。 また、仙腸関節が固まってしまうので普段から横座りやお姉さん座り、足を組んだりとしていると
仙腸関節に歪みが生じた状態で固まるので、骨盤の歪みが生じたままになる。 その状態でも、骨盤矯正をする事は可能であるが、他の方に比べて時間が掛かってしまう。
なので、上記の様にならないようにする為に、産後は結合組織が隙間に入って固まってしまう前にしっかりとケアを行い、
歪みの無い良い状態で骨盤を締めていく事が理想である。 また身体の歪みがあると、循環不良に陥りやすくなる為、疲労感が抜けにくくなったり体重が落ちにくくなったりする。
また、一カ所に歪みがあると、他の箇所がバランスを取ろうとして更に歪みを生じる。 そうすると、筋肉・関節は余計に負担が掛かり、筋肉がガチガチになったり、関節の可動性が低下する。
まさに今回の症例の方は、その負のスパイラルに陥っていたと考えられる。
こういった事にならないように、産後は出来る限り早期に専門の所で身体の状態をチェックしてもらい、
必要であれば、身体を整えてもらう事をお勧めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後腰痛【症例】