2026年2月9日 月曜日
骨盤矯正は意味がないのか?
最近SNSなどで「骨盤矯正は意味がない」などの投稿をよく目にします。
実際、このページをご覧のあなたも、そのような投稿や記事を目にすると「良いと聞いていたのに」「必要ないのか?」と迷いが出るかもしれません。
当サロンでも産後の骨盤矯正と言う名のメニューがある以上詳しく解説する義務があるのではないかと思いこの記事を書いています。
詳しくは後述しますが骨盤矯正をどのように捉えるか?で答えは変わってくると思います。
断片的に捉え偏った見方をすれば「必要ない」の一言で片付けられるかもしれませんし、実際にその施術は意味があるのか?むしろ悪化するのではないか?と捉えられるようなものも存在します。
一般的な見解、論理的な思考、私たちがどのような考えで行なっているかを解説したいと思います。
私はどれも否定する意思はありません。(信念を持って発信されたものならば・・・)
もちろん、私がお伝えすることも今まで学んできたこと、経験からのお話になってしまいますので全てが正しいとは限りません。
この記事を通してお伝えしたい事は誰かを否定したり、自分たちの意見を主張する事ではなく、皆さんに「あの時ああしとけば良かった・・・」とならないようにはしていただきたいと思っています。
そのための判断材料の一つにしていただきたいのです。
まず、
骨盤は動かないのか?
左右差や歪みによる問題は起こるのか?
この2つの疑問が浮かび上がってきます。
動かないので矯正する必要がないというのが一番伝えられたい事なのだと私は理解しました。
そのことについて考察していきたいと思います。
前側は恥骨結合、後ろ側は左右の仙腸関節でつながっています。
恥骨結合は繊維軟骨で連結されています。
仙腸関節は前方は関節包(関節を包む分厚い膜)、後方は骨間仙骨靭帯で補強されています。

画像:プロメテウス(構造を知るにはかなりいい本です。買いましょう)
それは重たい上半身を支え、床からの半力を受け止めているので当然の事と言えます。
しかし、ここで一つの疑問が湧きます。
動かない構造、動く必要がないのであれば骨でいいわけで、関節構造をしている必要があるでしょうか?
恥骨結合も硬いですが捻れます。
出産時には平均9mm開くとも言われています。
実際、恥骨結合離開と言って恥骨が離れてしまうこともあります。(私は最大4.5cm離れた方を見た ことがあります)
仙腸関節も滑膜が存在しそこから滑液(潤滑剤のようなもの)が分泌されています。
その存在は私も実際に解剖実習でホルマリン固定されたご検体ではなく冷凍保存されたご検体で確認してきました。
動きもしない関節に関節液は必要でしょうか?
この仙腸関節は特に歩行などの荷重がかかった時には動くとされています。
その動きは0.5mm~3mm程度の関節包内の動きです。
“バキって音が鳴った=関節が動いた訳ではない”
“バキっていう音は関節の中の気泡が弾ける音だと言われている”
この医師系インスタグラマーもこのように言っています。
つまり、関節液があるということは認めている事になります。
”骨盤にはわずかな動きがある”と定義して話を進めてみましょう。
その動く骨盤に問題は起こるのか?
人間の組織は本来の状態から外れて行けば行くほど不快な症状や問題が起こりやすくなると言えます。
このような状態は問題が起こる事をイメージしやすいかと思います。
骨盤の関節も本来の状態から緩みすぎたり、硬くなりすぎる可能性は十分に考えられます。
そうなれば不快な症状や機能的な問題が起こることも同時に考えられます。
関節の位置情報や伸ばされたり圧がかかっているのを感じ取り脳にその情報を送る役目です。
そのセンサーがある組織がずっと圧がかかっていたり緩んでいるとその情報が脳に送られバランスを保とうとします。
そのことで周辺の筋肉などが余計に緊張する可能性は考えられます。
実際、人間には多数の左右非対称が存在します。
しかし、
それが度を超えたり、本来の動きを失ったりすると問題が出てくると私は考えています。
しかし、最近は整形外科でも
と診断されることが多くなっています。
仙腸関節は骨盤の関節ですので骨盤の問題という言葉に置き換えても間違いではないと私自身は感じています。
確かにそれもあると思います。
恥骨結合や仙腸関節といった骨盤の関節の障害自体で問題が起こることもあれば、
股関節や腰椎の障害で問題が起こることもあります。
しかし、股関節を動かす筋肉や靱帯、関節包は骨盤の骨に付着しています。
腰椎と骨盤を繋ぐ組織も多数存在しています。
例えば、右の股関節の筋肉が縮めば骨盤は右に傾きます。
それにつられ腰椎も傾きます。
これらの問題がどこがスタートで起こったかを探し出すの難しいものがあります。
鳥が先か卵が先かの論争になります。
骨盤の関節(仙腸関節や恥骨結合)を戻すことだけを骨盤矯正と捉えるか、
骨盤自体をユニットとして捉え骨盤矯正と捉えるかでも論点が変わってくるのではないでしょうか?
姿勢矯正も肩甲骨はがしも同じく造語です。医学用語ではありません。
イメージから作られているものです。
肩甲骨は剥がれません。
ただ周辺の組織が固まり動きが悪くなったものを動かす施術を誰かが「肩甲骨はがし」と名付けたのです。
イメージしやすくネーミングセンスはあるのではないでしょうか?
それにも必死で肩甲骨は剥がれない!剥がれたら大事だ!と噛みつく人はいてます。
そんなことはほとんどの人がわかっています。
(わかっていない人が居るのも事実ですが・・・)
ですから、骨盤矯正も何をどう定義するかで変わってくるのではないでしょうか?
私たちも産後においては骨盤矯正という言葉を使っています。
産後は特に骨盤(骨盤周辺)に問題が起こりやすいです。
それは自信を持って言えます。
骨盤矯正とはいえ、骨盤の恥骨結合や仙腸関節だけを調整するのではなく全身を調整します。
その中で骨盤は重要な位置付けと言えます。
ですから”分かりやすい”ように”イメージしやすい”ように産後骨盤矯正という名前を使っています。
確かにひどい骨盤矯正もあります
骨盤矯正という言葉が一人歩きし、「骨盤がパカッと開く」と誇張した表現になっていたり、施術としても理論崩壊していたり、明らかに知識不足、技術不足の施術が存在するのも事実でそれらが批判される標的になる事も理解できます。
しかし、論点がそこではなく”骨盤そのもの”になり全てを否定してしまうと実際に起こっている問題を見落としてしまったり、思考が停止してしまい新しい発見もできなくなってしまいます。
確かに腰痛の原因は様々ですが生活習慣などが要因で症状が出ることは多いと考えられます。
しかし、その生活習慣で仙腸関節や骨盤に関連する股関節や腰椎の周辺組織に問題が起こる事は十分に考えられます。
病院で診ていただいて
腰痛などの問題が改善しているなら何の問題もないと思います。
しかし、薬や物理療法、マッサージ、ストレッチなどでよくならなかった場合は骨盤の関節を含めた違った視点で見てみると改善する可能性も広がるのではないでしょうか?
このような意見があることも理解できます。
ですから、私たちのような徒手療法家はまずロジカルにきっちりと説明し理解していただけるような努力がより必要だと感じています。
また、研究が進み新たな事実が分かった場合、私の知識や考えが間違っていたのなら、その時は素直に認め修正させていただきます。
実際、このページをご覧のあなたも、そのような投稿や記事を目にすると「良いと聞いていたのに」「必要ないのか?」と迷いが出るかもしれません。
当サロンでも産後の骨盤矯正と言う名のメニューがある以上詳しく解説する義務があるのではないかと思いこの記事を書いています。
詳しくは後述しますが骨盤矯正をどのように捉えるか?で答えは変わってくると思います。
断片的に捉え偏った見方をすれば「必要ない」の一言で片付けられるかもしれませんし、実際にその施術は意味があるのか?むしろ悪化するのではないか?と捉えられるようなものも存在します。
一般的な見解、論理的な思考、私たちがどのような考えで行なっているかを解説したいと思います。
Contents
初めにお伝えしたい事
いろいろな考えが存在するのは当たり前です。学んできた事、普段行っている事、見てきた解像度などの違いで意見が違ってきます。私はどれも否定する意思はありません。(信念を持って発信されたものならば・・・)
もちろん、私がお伝えすることも今まで学んできたこと、経験からのお話になってしまいますので全てが正しいとは限りません。
この記事を通してお伝えしたい事は誰かを否定したり、自分たちの意見を主張する事ではなく、皆さんに「あの時ああしとけば良かった・・・」とならないようにはしていただきたいと思っています。
そのための判断材料の一つにしていただきたいのです。
骨盤矯正は意味がない?
先日SNSで医師系インスタグラマーが凄い剣幕で以下のような事を発信していました。
・ガチガチに固定されている
骨盤は強固な靭帯で固定され動いたら骨折レベルなんで大事故
・骨盤の歪みは整形外科の診断名として存在しない医学的に定義されていない言葉
・多少の左右差は人間にはある
・バキって音が鳴った=関節が動いた訳ではない
・バキっていう音は関節の中の気泡が弾ける音だと言われている
・そもそも正しい位置からズレるという認識がないので戻す必要がない
・腰痛の原因は生活習慣、動かなさ、姿勢からくるもの周辺の筋肉や関節の問題
この発信を整理すると・骨盤の歪みは整形外科の診断名として存在しない医学的に定義されていない言葉
・多少の左右差は人間にはある
・バキって音が鳴った=関節が動いた訳ではない
・バキっていう音は関節の中の気泡が弾ける音だと言われている
・そもそも正しい位置からズレるという認識がないので戻す必要がない
・腰痛の原因は生活習慣、動かなさ、姿勢からくるもの周辺の筋肉や関節の問題
まず、
骨盤は動かないのか?
左右差や歪みによる問題は起こるのか?
この2つの疑問が浮かび上がってきます。
動かないので矯正する必要がないというのが一番伝えられたい事なのだと私は理解しました。
そのことについて考察していきたいと思います。
骨盤の構造
骨盤は左右の寛骨と仙骨で構成されています。前側は恥骨結合、後ろ側は左右の仙腸関節でつながっています。
恥骨結合は繊維軟骨で連結されています。
仙腸関節は前方は関節包(関節を包む分厚い膜)、後方は骨間仙骨靭帯で補強されています。

画像:プロメテウス(構造を知るにはかなりいい本です。買いましょう)
骨盤は動かないのか?
確かにこの医師が発信されていたように骨盤は強靭な靭帯で固定されています。それは重たい上半身を支え、床からの半力を受け止めているので当然の事と言えます。
しかし、ここで一つの疑問が湧きます。
動かない構造、動く必要がないのであれば骨でいいわけで、関節構造をしている必要があるでしょうか?
恥骨結合も硬いですが捻れます。
出産時には平均9mm開くとも言われています。
実際、恥骨結合離開と言って恥骨が離れてしまうこともあります。(私は最大4.5cm離れた方を見た ことがあります)
仙腸関節も滑膜が存在しそこから滑液(潤滑剤のようなもの)が分泌されています。
その存在は私も実際に解剖実習でホルマリン固定されたご検体ではなく冷凍保存されたご検体で確認してきました。
動きもしない関節に関節液は必要でしょうか?
この仙腸関節は特に歩行などの荷重がかかった時には動くとされています。
その動きは0.5mm~3mm程度の関節包内の動きです。
“バキって音が鳴った=関節が動いた訳ではない”
“バキっていう音は関節の中の気泡が弾ける音だと言われている”
この医師系インスタグラマーもこのように言っています。
つまり、関節液があるということは認めている事になります。
骨盤が動いたら問題が起こるのか?
これらの構造から”骨盤にはわずかな動きがある”と定義して話を進めてみましょう。
その動く骨盤に問題は起こるのか?
人間の組織は本来の状態から外れて行けば行くほど不快な症状や問題が起こりやすくなると言えます。
筋肉が硬くなっている
血管が通常より硬くなっている
神経が圧迫されている
靱帯が伸びてしまった
腱が切れた
このような状態は問題が起こる事をイメージしやすいかと思います。
骨盤の関節も本来の状態から緩みすぎたり、硬くなりすぎる可能性は十分に考えられます。
そうなれば不快な症状や機能的な問題が起こることも同時に考えられます。
仙腸関節にはセンサーが多い?
関節包や靱帯などの結合組織には感覚受容器と呼ばれるセンサーが多く存在しています。関節の位置情報や伸ばされたり圧がかかっているのを感じ取り脳にその情報を送る役目です。
そのセンサーがある組織がずっと圧がかかっていたり緩んでいるとその情報が脳に送られバランスを保とうとします。
そのことで周辺の筋肉などが余計に緊張する可能性は考えられます。
人間に多少の左右差はあり問題ない
この医師がおっしゃっている”人間には左右差があり問題がない”という事に関しては同意です。実際、人間には多数の左右非対称が存在します。
しかし、
それが度を超えたり、本来の動きを失ったりすると問題が出てくると私は考えています。
医学的に定義されていない言葉
確かに”骨盤の歪み”とは医学的に定義されておらず診断名がつくことがありません。しかし、最近は整形外科でも
仙腸関節炎
仙腸関節捻挫
仙腸関節機能障害
仙腸関節不安定症
と診断されることが多くなっています。
Physical Medicine & Rehabilitation(物理医学とリハビリテーション)専門医である博田節夫先生が開発された
AKA-博田法では
関節機能が障害されると、関節可動域の制限、筋力・協調性の低下、痛みの出現などを引き起こし、随意運動や動作能力の低下もたらす
と言われており、その中でも仙腸関節の問題は特にクローズアップされています。
関節機能が障害されると、関節可動域の制限、筋力・協調性の低下、痛みの出現などを引き起こし、随意運動や動作能力の低下もたらす
仙腸関節は骨盤の関節ですので骨盤の問題という言葉に置き換えても間違いではないと私自身は感じています。
周辺の筋肉や関節の問題?
このSNSでは腰痛は”周辺の筋肉や関節の問題”とも言われています。確かにそれもあると思います。
恥骨結合や仙腸関節といった骨盤の関節の障害自体で問題が起こることもあれば、
股関節や腰椎の障害で問題が起こることもあります。
しかし、股関節を動かす筋肉や靱帯、関節包は骨盤の骨に付着しています。
腰椎と骨盤を繋ぐ組織も多数存在しています。
例えば、右の股関節の筋肉が縮めば骨盤は右に傾きます。
それにつられ腰椎も傾きます。
これらの問題がどこがスタートで起こったかを探し出すの難しいものがあります。
鳥が先か卵が先かの論争になります。
骨盤の関節(仙腸関節や恥骨結合)を戻すことだけを骨盤矯正と捉えるか、
骨盤自体をユニットとして捉え骨盤矯正と捉えるかでも論点が変わってくるのではないでしょうか?
骨盤矯正は造語?
そもそも”骨盤矯正”という言葉は造語です。姿勢矯正も肩甲骨はがしも同じく造語です。医学用語ではありません。
イメージから作られているものです。
肩甲骨は剥がれません。
ただ周辺の組織が固まり動きが悪くなったものを動かす施術を誰かが「肩甲骨はがし」と名付けたのです。
イメージしやすくネーミングセンスはあるのではないでしょうか?
それにも必死で肩甲骨は剥がれない!剥がれたら大事だ!と噛みつく人はいてます。
そんなことはほとんどの人がわかっています。
(わかっていない人が居るのも事実ですが・・・)
ですから、骨盤矯正も何をどう定義するかで変わってくるのではないでしょうか?
私たちも産後においては骨盤矯正という言葉を使っています。
産後は特に骨盤(骨盤周辺)に問題が起こりやすいです。
それは自信を持って言えます。
骨盤矯正とはいえ、骨盤の恥骨結合や仙腸関節だけを調整するのではなく全身を調整します。
その中で骨盤は重要な位置付けと言えます。
ですから”分かりやすい”ように”イメージしやすい”ように産後骨盤矯正という名前を使っています。
確かにひどい骨盤矯正もあります
骨盤矯正という言葉が一人歩きし、「骨盤がパカッと開く」と誇張した表現になっていたり、施術としても理論崩壊していたり、明らかに知識不足、技術不足の施術が存在するのも事実でそれらが批判される標的になる事も理解できます。
しかし、論点がそこではなく”骨盤そのもの”になり全てを否定してしまうと実際に起こっている問題を見落としてしまったり、思考が停止してしまい新しい発見もできなくなってしまいます。
腰痛の原因は生活習慣、動かなさ、姿勢からくるもの?
今回とりあげさせていただいたSNSでも”腰痛の原因は生活習慣、動かなさ、姿勢からくるもの”とおっしゃっていました。確かに腰痛の原因は様々ですが生活習慣などが要因で症状が出ることは多いと考えられます。
しかし、その生活習慣で仙腸関節や骨盤に関連する股関節や腰椎の周辺組織に問題が起こる事は十分に考えられます。
病院で診ていただいて
腰痛などの問題が改善しているなら何の問題もないと思います。
しかし、薬や物理療法、マッサージ、ストレッチなどでよくならなかった場合は骨盤の関節を含めた違った視点で見てみると改善する可能性も広がるのではないでしょうか?
最後に・・・
私はこのSNS投稿を否定したかったわけでもありません。このような意見があることも理解できます。
ですから、私たちのような徒手療法家はまずロジカルにきっちりと説明し理解していただけるような努力がより必要だと感じています。
また、研究が進み新たな事実が分かった場合、私の知識や考えが間違っていたのなら、その時は素直に認め修正させていただきます。

