2018年8月31日 金曜日
【症例】左肩甲骨から指先にかけての痺れ・だるさ
左肩甲骨から指先にかけての痺れ・だるさがあった方の症例です。その原因となったのは10年前に鎖骨骨折してリハビリなどはせずそのまま放置していた部分が影響して症状が出ていたと考えられた。その原因やどういった過程で良い方向へ向かったか?

利用者
20代女性 吹田市在住
主症状
左の肩甲骨から指先にかけての重だるさや痺れ
その他の症状
特に無し
過去に受けていた施術
特に無し
主な施術ポイント
関節の可動性・筋緊張の改善
施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行って行くと、左肩甲骨の辺りは重だるさがみられ小指は痺れがある。
肋鎖間が狭く、胸椎や肋椎関節の可動性が低い。
また、斜角筋や胸筋などアームライン等の緊張が強い。
上記部位を中心に、可動性改善や緊張緩和を目的に施術を行なう。
2回目
5日後来院
小指の痺れは消失。肩甲骨周囲の重だるさは残存。
前回施術した、関節、筋肉の可動性や緊張は改善傾向。
施術は前回同様の内容で実施。
3回目
1週間後来院
仕事が非常に忙しかった事もあり、左肩甲骨周囲の痛み・緊張感が強い。
初回と同じ状態ように関節の可動性の低下、筋肉の緊張が元に戻る。
バックラインを中心に施術を行ない、脊柱の可動性や緊張緩和に効果的なセルフケアを指導
4回目
1週間後来院
この一週間で1回、重だるさがでたがそんなに気にならなかった。
仕事中の肩の辛さが、感じにくくなった。
小指の痺れは2回目以降消失している。
筋緊張は改善傾向にあるが、関節の可動性の悪さは残存の為、
可動性が悪い所の関節調整を中心に行なう。
5回目~6回目
痺れは、その後再発していないが、
肩甲骨あたりの重だるさは1週間に1回か2回は生じる。
いずれも、週末になると症状が強くなりやすい。
座位で姿勢チェックすると、骨盤が左荷重になっている。
荷重が片側に寄っていることによって、肩がバランス取ろうとして、
片側の筋肉などに過剰にストレスを与えてしまっていると仮定して、
骨盤の重心調整を行ない、仕事中に左荷重にならないようにする座り方のコツを指導。
斜角筋等の首周りの緊張が残存していたので、呼吸の仕方について指導。
7回目
痺れや左肩甲骨の重だるさは消失。
座位姿勢の左荷重も右にも荷重がしっかりと乗るように改善。
現在は、間隔を空けて様子を見つつ、古傷の右足首の痛みに対する調整を行なう等、
メンテナンスを中心に行っている。
考察
今回の症例は、肩甲骨から指先にかけての重だるさや痺れ症状であった。
初診時、身体の状態をチェックをかけていくと、肩甲骨からアームラインにかけての緊張が強かった。
この患者さんは、仕事柄パソコン作業等が多くどうしても指先を酷使するとの事であった。
パソコン作業は基本的に左側に荷重が掛かりやすい。
また、既往歴として10年前に左鎖骨骨折をしており、手術はせずそのまま放置していた。
そのせいもあり、右に比べると鎖骨が下方向に変位しており肋鎖間が狭い。
恐らく、これらの要因(既往歴・仕事)が相まって症状が出たのでは無いかと考えています。
仕事でアームラインをよく使い、筋肉が疲労状態になる。
そして、左の方は元々肋鎖間が狭く神経・リンパ・血管等が通る際に圧迫を受けやすい。
今回の場合は、リンパ・血管が圧迫を受ける事により循環が悪くなり、重だるさとなって症状が出現し、
神経も筋肉の緊張により圧迫を受けて、痺れ症状として出現したと思われる。
実際、関節の可動性を出して神経・リンパ・血管の通り道を作ってあげて、
緊張している部分はリリースをかけて緩めてあげると症状は改善した。
痛みを生じる原因として、既往歴が原因となる事はよくあります。
レントゲン上、MRI上で問題無しと診断された場合、血液検査で問題無しと診断された場合でも、
身体の使い方が変わったり、癖が出来てしまい、それが後々の問題を生じる原因となる場合もあるので、
痛み、怪我が生じた場合、しっかりと治療を行い完全な状態にしておく事が後々の自分を救う事になるので
覚えておいて頂きたいです。
※個人の例です。
全ての方に効果を保証するものではありません。
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