2020年10月23日 金曜日
【症例】階段転倒から日常生活に支障がでるくらいの痛みでお悩みだった方の症例
階段転倒して、頭と背中を打った後から鼡径部と殿部周辺に痛みを生じるようになりました。思うように足が動かせず跛行を所持ていました。この症状により、仕事中もしんどいし終わって立ち上がろうとした際にも痛みが強く出る。電車で立っているとだるくてだるくてしんどいという症状でお悩みでした。では、そんな方の回復に至るまでの道のりを解説していきます。

利用者
50代男性 箕面市在住
主症状
左鼡径部と殿部の痛み
その他の症状
特に無し
過去に受けていた施術
特に無し
主な施術ポイント
癒着を剥がす
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
2週間前から左鼡径部と殿部辺りに痛みと痺れが生じている。
痺れ、痛み、こわばり、感覚が麻痺したような感覚で思うように足が動かせない。
電車で通勤の際に突然症状が強く出て、
立ってられなくなったり、急に立ち上がることができない状態。
検査を行なうと、
跛行が生じているが、MMT検査では左右の顕著な筋力低下はない。
鼡径部や殿部の緊張は顕著
筋膜レベルでの癒着が起こっていると仮定して
腸腰筋、大殿筋、梨状筋などの鼠径部や殿部のリリースを行なう。
2回目
1週間後来院
前回に比べると、痛みや痺れは軽減したがこわばり感が残存。
また、仕事で長時間座っていると帰社時間になって立ち上がろうとすると、
しばらく動けなくなるとのこと。
施術としては、前回と同内容で実施。
4回目
鼡径部と殿部の痛み、痺れ、こわばり、動かしにくさはほぼ消失。
ただし終末になってくると徐々にだるさが出る。
帰社時間になってからの立ち上がり時や、
電車でずっと立っていたり、動こうとした際にだるさが生じる。
施術は引き続き、筋膜リリースを中心に行なう。
5回目
前回より頻度や質はましになっているが、
やはり終末になってくるとだるさが出てくる。
今日がだるさが強いとのこと。
再度、体を検査していくと、
左鼡径部~大腿にかけての皮膚レベルが癒着していることに気づく。
皮膚の癒着を剥がすような施術を行なうと今日あっただるさが消失。
皮膚の癒着を剥がすセルフケアを指導。
6回目
自身でセルフケアを実施していれば、
終末になってもだるさが生じなくなった。
帰社時間で椅子から立っても、電車で長時間立っていても問題なし。
7回目~
その後、通院間隔を空けて経過観察をしたが、
左鼡径部や殿部周辺の症状は再発しなかった。
当初のお悩みは解消されたので、
他に気になる部分は無いかと確認すると、
首や肩のこりが最近酷いとのこと。
現在は、通院間隔を空けながらメンテナンスを行ない、
首や肩の症状緩和の為の施術やセルフケアの指導などを行なっている。
考察
今回の症例は、左鼡径部と殿部周辺の症状でお悩みのケースでした。
左鼡径部と殿部周辺に痛み、痺れ、こわばりが生じ、
感覚が麻痺したような感じになり、思うように足が動かせない状態であった。
キッカケとしては、
階段を踏み外して転倒し、
頭部や背部を打った際に痛めたのではないかとの事でした。
そのアクシデントがあって半月ほどしてから今回の症状が出てきた。
初回来院時は跛行が生じていた。
MMT検査で筋力チェックを行ったが、
筋力低下は顕著には出ていなかった。
しかしながら、
鼡径部や殿部周辺の緊張は強く生じていた。
転倒時の衝撃で筋膜や皮膚などが癒着を生じたのが今回の原因であったと考えられました。
腸腰筋や大殿筋などの股関節周囲の筋緊張を先ずはリリースしました。
初回の施術で症状はある程度軽減されましたが、
帰社時間になって立ち上がろうとした際や、
電車で長時間立っている時や動き始めの際のだるさが取り切れませんでした。
再度検査をした際に、
左の鼡径部や大腿前面にかけての皮膚がへばりついている事に気づきました。
筋膜のリリースは行ないましたが、
皮膚レベルのリリースは出来ていなかった為、
全快に至らなかったのではと考え、
皮膚のリリースを行ない、自身でも出来る皮膚リリースの方法を指導しました。
そうすると、
終末になるとだるさが生じていたのが、
自身でセルフケアをするようになってから生じなくなりました。
お仕事柄、
一日中座ってパソコンを行なっているそうで、
お手洗いに1回か2回立ち上がる以外は
一日中座っているとの事でした。
そうなると、
筋膜や皮膚の滑走性が失われ、
伸び縮みが出来なくなり、
動こうとして無理に筋膜や皮膚を伸ばそうとした際に症状が出ていた。
痺れに関しても、
筋膜の滑走性が低下すると生じると考えられています。
今回の場合、
キッカケは階段を踏み外したことが大きな要因だと思います。
しかしながら、
人間は長時間同じ姿勢をとると身体に大きな負担が掛かります。
データとして、15分以上同じ姿勢でいると身体は悲鳴をあげると言われています。
なので15分に1回は態勢を変える必要性があります。
どんなに長くても、30分に1回は体勢を変えてあげないと、
どんなに良い姿勢でも、どんなに良い椅子であっても身体は耐えきれません。
実は体は立っているよりも、座っている時の方が負担は大きいのです。
お仕事柄デスクワークが多い方は、
お手洗いや水分補給などで
こまめに立ったり、態勢を変えるきっかけを作るようにしてください。
しんどさや、痛みを我慢した状態でお仕事をしても集中力は上がりません。
負担が掛からない環境作りをすれば、短時間でも集中することが可能になり、
結果、パフォーマンスは上がります。
一瞬お尻の位置を変えるだけでも結構ですので、
是非、今日から実践してみて下さいね!
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
関連記事タグ : 股関節の痛み【症例】