2018年11月17日 土曜日
【症例】抱っこをする際に痛みを生じる腰痛
今回の症例は、産後から腰が痛いと訴える方のケースです。子供のオムツを変えようと前に屈んだり、子供を抱っこしようとして身体を反ったりする時に毎回腰の痛みを生じる状態であった。育児をする上では避けようの無い動作であるが、その動作をしても痛みが出ない身体に至る為の過程をご説明していきます。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
腰痛その他の症状
特に無し過去に受けていた施術
マッサージ
整体主な施術ポイント
関節の可動性
骨盤底筋施術の経過と内容
1回目
全体の検査を行なうと、
骨盤の歪みや広がりは見受けられないが、
骨盤が非常に硬く、可動性が悪い。脊柱の硬さも見られ、肩甲骨周囲の筋緊張も強い。
全体的に関節の硬さが目立つため、関節の可動性を出す施術を中心に行なう。
骨盤底筋の入れ方指導。 2回目
翌日来院
骨盤の硬さは改善傾向。脊柱の硬さは変わらず。
施術は前回と同内容で行なう。 3回目
6日後来院
脊柱の硬さ残存。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化するトレーニング指導実施。 4~5回目
腰の痛みはほぼ感じない程度へ。
骨盤の可動性良好。胸椎の硬さが若干残る。
骨格調整を中心にして施術を行なう。
骨盤底筋と下肢の筋肉を連動させたトレーニング指導を行なう。 6~7回目
長時間抱っこした状態で忙しく何日か動いていたら、
腰があらゆる動作で痛みが生じるようになった。
検査を行なうと、骨盤底筋が全く入っていない。
最近はトレーニングはしていなかったとの事。
また骨盤の硬さ、脊柱の硬さがやや戻っている。
骨盤、脊柱の可動性を出す施術を行ない、骨盤底筋の再教育を行なう。 8回目
前回の腰の痛みは改善。
胸椎の硬さが残る為、胸椎のセルフケアを指導。 9回目~
腰の痛み、その後は一度も出ていない。
胸椎の硬さが若干残る。
現在は通院間隔を空けて、メンテナンスを行い経過観察中である。考察
今回の症例は、産後からの腰痛であった。
初回検査時に気になったのは、大きな歪みは無いものの関節の可動性が非常に悪かった。
特に脊柱と骨盤の可動性が悪かった。骨盤の可動性は割とすぐに改善に至ったが、
胸椎を中心とした脊柱の可動性が中々改善に至らなかった。
この患者さんが腰痛を生じていた動作は、前に屈んだり、抱っこの際に反ったりする時だった。
その際、本来であれば脊柱や骨盤の可動性があって、屈んだり反ったりする事が可能である。
しかしながら、その可動性がない為に動きが出ず、筋肉に過剰に負担が掛かり痛みを生じていたと考えられる。
また、脊柱の可動性が悪い原因として考えられるのが、骨盤底筋の弱さである。
骨盤底筋が弱いと骨盤の安定性が低くなる。
骨盤の安定性が低いと、その近くにある関節が過剰に固まって体の安定性を高めようとする。
それが、今回生じていた脊柱の硬さの原因の一つであると思われる。
勿論、授乳や抱っこ等の反復により脊柱に普段からストレスが掛かっている事も原因の一つであると思われる。
どうしても、子育ては同じ姿勢でいる動作が多くなる為、関節の可動性が悪くなりやすい傾向にある。
なので、どうしても同じ姿勢を維持しなければならない状況であっても、
同じ部分に負担をかけないように15分に一回は態勢を変える等こまめに動く事をお勧めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後腰痛【症例】