2020年7月10日 金曜日
【症例】夕方になると生じる腰痛でお悩みだった方の解消例
産後から夕方になると生じる腰痛と殿部痛が主訴でお悩みでした。また、若い頃から慢性的な肩こりだったが、その肩こりが育児でのストレスで更に悪化していた。育児でのストレスは避けれないがストレスに対する耐性を作れば乗り越えることは可能です。では、そんな状態から回復に至るまでの道のりを解説していきます。

利用者
30代女性 池田市在住
主症状
腰痛
殿部痛
その他の症状
慢性的な肩こり
過去に受けていた施術
マッサージ
主な施術ポイント
骨盤の安定性獲得
筋肉の過緊張
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
産後から夕方になると腰痛が生じる。
右臀部は長めに歩くと痛みを生じる。
肩こりは、若い時から慢性的に生じている。
それが、産後でより悪化しているが半ば諦めているとの事。
検査を行なうと、骨盤は非常に緩く、
その影響もあってか、腰の筋肉は非常に緊張が強い。
殿部、肩周囲も筋緊張が強い。
まずは、骨盤の安定性を高める施術を行ない、
筋緊張の緩和を目指して施術を行なう。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
骨盤や腰に負担の掛かりにくいような座り方を指導。
2回目
3日後来院
腰痛と殿部痛は施術した日は良かったが、
徐々に戻ってきて、今現在は痛みがある。
肩こりはまし。
骨盤の安定性は前回に比べると向上。
施術方針は前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→まだまだ筋力向上には至らず。
骨盤底筋だけでなく、下肢全体を連動させたトレーニング指導実施。
3回目
1週間後来院
腰痛と殿部痛は施術の持続時間が伸びた。
夜に授乳していると、痛みを生じやすい。
肩こりは2回目からは大きくは変わらず。
施術方針は前回までと同内容で実施。
4回目
10日後来院
腰痛と右殿部痛はましになっていたが、
乳腺炎を発症して、1週間寝込んでいた。
そのせいか、殿部は反対側の左が痛みを生じ、
肩こりも強くなった。
内臓疲労の反応が出ていたので、
内臓調整と筋緊張の強い殿部周囲と肩周囲のリリースを行なう。
5~6回目
腰痛、右殿部痛(左)はあまり気にならない程度へ。
肩こりもあまり気にならない程度へ。
骨盤の安定性は6割程度へ。
筋緊張部位のリリースと骨盤の安定性を
もう少し向上させる為の施術を中心に行なう。
7回目
子供の体調不良などもあり、
長期間、長時間に渡って抱っこをしていたら、
肩こりと腰痛が悪化した。
腰は立っているのもしんどい位の痛みを生じた。
大腰筋、大殿筋、小円筋、広背筋などの肩と腰周囲の緊張部位のリリースを行なう。
骨盤底筋を更に強化する為のトレーニング指導実施。
8~11回目
腰痛、殿部痛、肩こりともに気になっていない程度へ。
育児の状況によってしんどいなと感じることがあっても、
翌日に、寝て起きたらしんどいのが消失している。
脊柱の可動性の低下が目立ったため、
脊柱の可動性を出すためのセルフケアを指導。
12回目
首の寝違いを今朝起こしたとの事。
腰痛は3日前から若干ある。
寝違いに対する施術を中心に行いながら、
腰痛に対する施術も行なう。
13回目
前回後、施術した翌日には寝違いは解消された。
腰痛、殿部痛、肩こりに関しても、
通院間隔を空けていても気にならない程度を維持している。
骨盤の状態も産前の状態に戻ったので、
今回にて産後の骨盤矯正を一旦終了とした。
考察
今回の症例は、産後から夕方になってくると腰痛と殿部痛を生じ、
肩こりは若い頃から慢性的に生じている方のケースでした。
腰痛と殿部痛に関しては、産後から症状が生じていた。
原因としては骨盤の不安定性から生じていたと考えられる。
骨盤の安定性が低下すると、
その分をどこかが頑張らないと、
体を支える事が出来ません。
そうなると、
家事、育児などもする事が出来なくなるので、
殿部や腰部などの筋肉が過度に頑張ってしまいます。
その為、殿部や腰部の筋緊張が生じ、
痛みが発生していたと考えられました。
また、腰痛などには一見関係無さそうに感じますが、
肩こりが腰痛や殿部痛にも関係していたと思われます。
人間の体は筋膜というもので、
全身が繋がっています。
肩甲骨と骨盤は関係性が深いので、
一方の関節が動かなくなると、
片方の関節も動きにくくなります。
つまり、
肩こりが生じて肩甲骨の動きが悪くなると、
骨盤の動きも悪くなるのです。
また、肩周囲の緊張が強くなると、
骨盤周囲の緊張も強くなるのです。
元々、肩こりが慢性的にあったという事が、
余計に腰痛や殿部痛を悪化させた原因になっていました。
思考として痛い部位があると、
どうしてもその部位に原因があると考えてしまいますが、
多くの場合が、痛い部位に原因はありません。
腰が痛いからといって、
肩こりが酷いからといって、
痛み部位をマッサージしたり、電気を当てたり、
湿布を貼ったり、温めたとしても、
その時は気持ちいいですが、
時間の問題です。
しっかりと、
痛みが出ている原因を探して、
原因部位をしっかりと施術しないと、
何度も何度も症状は出てきます。
今回の場合は、
腰痛や殿部痛に肩こりが関与していたと思われるパターンでしたが、
足が関与していたり、お腹が関与している場合など色々です。
腰痛は85%が原因不明と言われています。
産後だから、育児しているからこれは仕方が無いと諦めないで、
しっかりと専門の機関でチェックしてもらって、
本当の原因を探し、繰り返しの症状が出ないように体のケアをして下さいね。
そうすることでより育児に専念できます。
子供のちょっとしたことでイライラしたりして、
怒鳴って後から後悔するという事は無くなりますよ!
快適で充実した育児生活を送るためにも早めの行動をお薦めします。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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