2020年12月11日 金曜日
【症例】産後からの腰痛でグラグラ感もあったお悩みの症例
産後から腰痛、背部痛、恥骨痛、手首痛でお悩みのケースでした。腰痛に関しては、自身でも骨盤のグラグラ感を感じており、それが腰痛の根本原因となっていました。骨盤は妊娠中からホルモンの関係で徐々に緩んでいきますが、産後はその状態から一刻も早く回復する必要性があります。では、そんなご自身でもグラグラ感を生じる程の問題が起きていた方がどのような過程で回復に至ったのかを解説していきたいと思います。

利用者
30代女性 箕面市在住
主症状
腰痛
背部痛
その他の症状
手首痛
恥骨痛
過去に受けていた施術
特に無し
主な施術ポイント
骨盤の安定性獲得
過緊張の筋肉リリース
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
腰が動き始めの時に痛みを生じるのと、
骨盤のグラグラ感を生じている
背部は特に授乳時に辛く、
ピリピリするような感じ
手首は両方痛みがあるが、
特に利き腕の右側が痛みを生じる
恥骨は何かの際にちくっと痛みを生じるとの事でした。
検査をしていくと、
骨盤の歪みが生じており、
左仙腸関節はハイパーで腰部・殿部の筋肉はガチガチ。
肩甲帯周囲の可動域の低下、筋緊張の強さが目立つ。
上半身は左右の筋バランスが非常に悪い。
施術は骨格の歪みを整えるとのと、
骨盤に関しては左仙腸関節のハイパーを解消させるためのアプローチを行ない、
全体的な筋緊張のリリースを行なう。
2回目
3日後来院
腰痛は数日は調子良かったが、
今回の朝辺りから徐々に症状が戻ってきたとのこと。
背部は今までよりましだが、ピリピリは残存。
手首痛は残存。恥骨痛は無し。
施術は基本的には前回と同内容で実施。
ただし、前回に比べれば歪み、筋緊張、左右の筋バランスは改善傾向へ
骨盤底筋の入れ方指導。
骨盤や腰部~背部にかけての負担を掛けないための座り方を指導
3回目
1週間後来院
腰痛はまし。2回程ギックリになりそうになった。
背部痛のピリピリは大分軽減された。
手首痛は左は解消。右が残存。
恥骨痛は初回から生じていない。
左仙腸関節のハイパーは気にならない程度へ変化
右前鋸筋、右広背筋の緊張が目立ち、
それが、右手首の痛みに影響していると考え、
同部位のストレッチ指導実施。
4回目
1週間後来院
腰痛は気にならない程度へ
背部痛も気にならない程度へ
右手首痛はまだ若干残る。
抱っこの仕方をチェックすると、
手首に負担が掛かるような持ち方になっている。
負担を掛けないような抱っこの仕方を指導
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施
5~7回目
この期間中、右手首痛だけ残存していた。
ただし、何かの拍子に軽い痛みが出るくらいではあった。
その期間中の施術は上半身中心に行なった。
特に胸郭やアームラインを中心で行なう。
8~13回目
この期間中は初回に来られた際のお悩みは全て解消・再発もなし。
通院頻度は3週~4週で来院して調整を行なっていた。
一時的に膝痛、肩こりが生じることもあったが、
施術を行なえば日常生活に問題ない範囲内へとなっていた。
期間を空けて経過観察をしていたが、
大きな問題が生じなかったので、
今回にて産後の骨盤矯正を一旦終了とした。
考察
今回の症例は、産後からの腰痛、背部痛、恥骨痛、手首痛でお悩みのケースでした。
腰に関しては、
痛みを生じていたのもありますし、
自身でも骨盤のグラグラを感じていた。
本来、骨盤はあまり動く関節ではありません。
ガチっと固定して安定させて、
上半身と下半身を連動させています。
骨盤が不安定だと、
上半身と下半身を連動させることができないので、
酷い場合、歩く事も難しくなります。
その骨盤が、
自身でグラグラを感じているということは、
相当骨盤の安定性は低下しているということです。
体の中心軸が不安定ということは
末端の部分には大きな負担が掛かります。
例えば、
足元が滑る所でお子さんを抱っこしているのと、
足元が床などの安定した所で抱っこしているのでは、
どっちが肩や、足に負担が掛かりますか?
もちろん、
不安定な方が余計に踏ん張るので、
同じ動作をしていても、
より疲れを生じやすいですよね。
今回の場合、
背部痛、恥骨痛、手首痛と他にも症状がありましたが、
これらの原因は体の中心軸が崩れていた事だと考えられました。
もちろん、
抱っこの仕方などの体の使い方的な問題もありますが、
それも、軸が不安定が故にそういう使い方をせざるえなかったとも考えられます。
育児をする中で、
抱っこ、授乳などの動作は気っても切れないものです。
物理的に負担が掛かる動作をせざるおえない時もあります。
でも、同じように育児をしていて、
問題が生じる方と、生じない方がいるのはたまたまでしょうか?
いいえ!そうではありません。
妊娠・出産で中心軸が崩れてしまって回復に至っていないからこそ、
ストレスが通常の2倍、3倍になってしまうのです。
中心軸を整えるという意味では、
骨盤ベルトを装着するのもいいかもしれません。
でも、勘違いしてほしくないのは、
骨盤ベルトはずっと着けておくものではないんです。
当院では、産後1ヶ月までは装着して下さいとお伝えしていますが、
それ以降は外してもらいます。
何故なら、
自分の筋肉等を使ってちゃんと自分の体を支えられるようになって欲しいから、
そうしないと、一生ベルトの力を借りないと生活出来なくなっちゃいます。
産後は心身ともにストレスが大きいです。
そのストレスに負けないように、
早期に中心軸を安定させることが重要です。
ケアは早ければ早いほど、
後々の育児が楽になりますので、
今日にでも、近くの専門機関に相談してみて下さいね!
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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