2020年2月21日 金曜日
【症例】初産後での腱鞘炎でお悩みの方の解消例
初産後の育児は非常にストレスが掛かります。右も左も解らない状態で毎日悪戦苦闘。そうすると、余計な力が入った状態で育児をしているので、身体には非常に大きなストレスが掛かります。その中で、腱鞘炎は非常に患いやすい症状です。抱っこが原因になる事が多いですが、腱鞘炎が悪化すると、育児だけでなく日常生活にも支障がでます。では、腱鞘炎でお悩みだった方がどのように回復に至ったかの道のりを解説していきますね。

利用者
30代女性 豊中市在住
主症状
右腱鞘炎
その他の症状
肩こり
右足首痛
両膝痛
過去に受けていた施術
マッサージ
主な施術ポイント
首から手首にかけての調整
施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なうと、
右母指付け根の痛み、肩こりが強い、
両膝の痛み、右足首の痛みがあるとの事であった。
右母指、両膝に関しては産後から生じたが、
肩こりは産前から、右足首は3年前からあったとの事。
肩周囲は筋緊張が非常に強くガチガチ。
頸椎や胸椎の動きも非常に悪い。
胸郭からアームラインにかけての関節調整と、
筋のリリースを中心に行なう。
2回目
翌日来院
関節の固さと、筋緊張は昨日よりは軽減も症状は残存。
施術は昨日と同内容で実施。
骨盤底筋の入れ方指導。
脊柱の可動性を出すセルフケアを指導。
アームラインのセルフケアも指導。
3回目
10日後来院
右腱鞘炎はまし。
肩こり残存、膝の痛みは屈伸時に若干残る。
施術は前回までと同内容で実施。
追加して、右足関節の距骨の動きが悪かったので調整を行なう。
骨盤底筋チェック→弱い→再指導を行なう。
4回目
1週間後
右腱鞘炎はたまに、子供の抱っこをした時に痛む。
右足首は痛みは低下しているが、
グルグルと回すと外果上方に違和感が残る。
肩周囲の筋緊張は残存の為、
肩周囲の施術を中心に行なう。
骨盤底筋チェック→前回より向上→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。
5回目
10日後
右腱鞘炎は前回同様、抱っこの時にたまに痛む。
肩こりは初回に比べれば、しんどさは3分の1へ軽減。
両膝の屈伸時などの痛みは消失。
右足首はあまり気にならない程度へ変化。
骨盤底筋チェック→良好
骨盤の安定性も出てきている。
患者さん自身の自覚として腰が以前に比べて安定している感じがするとの事。
6回目
2週間後
右腱鞘炎は前回よりは頻度は減っている。
肩こりは抱っこ等が長くなると生じるが、
そうでなければそこまでしんどくない程度へ。
右足首は痛み・違和感は完全に消失。
右アームラインの筋緊張があったので、
同部位のリリースを中心に行なう。
骨盤底筋のみならず、下肢の筋肉を連動させたトレーニング指導実施。
7回目
2週間後
右腱鞘炎消失。
肩こりはそんなに気にならない程度へ
8~10回目
この期間は通院間隔を更に空けて、
症状の再発がないかメンテナンスを行いながら、
経過観察を行っていたが、
問題が生じなかった為、骨盤の安定性も出てしっかりと締まったので
一旦産後の骨盤矯正を終了とした。
考察
今回の症例は産後から、右親指の付け根の辺りの痛み、いわゆる腱鞘炎が主訴である方でした。
他にも、昔からの肩コリがより悪化した感じと、
両膝が屈伸時等に若干痛みを伴う感じと、
右足首が3年前からグルグルと回すと痛みと生じていた。
腱鞘炎に関しては、
育児がスタートすると多くの方が悩む症状である。
特に初産の方で赤ちゃんの首が据わっていない時期は
どう抱っこしたらいいか解らない為、
変な力が入っていて肩から手首にかけて過剰に負担が掛かっている。
特に多いのが、
手首が小指方向にへの字に曲がった状態で抱っこをする方です。
この状態は解剖学的に無理な体勢です。
構造上耐えれない体勢な上に、
長時間その体勢でいて、変な力が入っているので
最もストレスがかかる親指の付け根部分が悲鳴をあげてしまうのである。
これは、
女性よりも筋力がある男性がしても同様である。
小指側に手首がへの字に曲がる体勢を長時間行なえば、
男性も悲鳴をあげます。
今回のケースも過剰な力が入っており、
頸椎、胸椎、手関節、橈尺関節などの関節がガチガチになっており、
その関節に付着する、筋肉もガチガチになっていました。
なので、
ガチガチになっている部分をしっかりとケアを行い
どうしても毎日負担が掛かってしまう部位へのセルフケアを指導しました。
それによって、
お子さんの体重が日々増えていくので、
普通に考えれば、日々負担は増えるはずですが、
負担は増えても痛みが生じない状態を作る事が出来ました。
両膝の痛みに関しては、
産後に骨盤の安定性が低下し、
それによって膝関節に負担がかかっていた事と、
妊娠中から産後にかけての筋力低下が顕著で
自分の体重とお子さんの体重を支える事が出来ずに、
屈伸時などに痛みを生じていたと考えられました。
足関節に関しては、
距骨のはまりが悪く違和感や痛みを生じていたと考え、
距骨の関節調整をする事で症状の緩和に繋がりました。
肩こりに関してもその他の症状に関してもそうですが、
妊娠中から産後はホルモンバランスが大きく変化します。
身体の状態は大きく変わります。
その為、産前にあった症状などが悪化する事もよくあります。
産後のケアはある意味いいチャンスです。
この機会を期にしっかりと身体を整えると、
産前に悩んでいた症状も良い方向にする事が可能になります。
するのであれば、出来るかぎり早期に!が鉄則になります。
今どうしようか悩んでいる方は、
一度だけでも最寄りの専門機関にてチェックしてもらう事をお勧めします。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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