2020年1月10日 金曜日
【症例】恥骨や尾骨のお悩み解消例
産後に恥骨や尾骨の痛みを生じる方は非常に多いです。原因としては分娩時のストレスが考えられます。お子さんを子宮から出す時に、恥骨や尾骨を広げるようになります。その際にストレスが掛かり痛みを生じます。では、そんな方の回復までの道のりを解説していきますね。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
恥骨痛
尾骨痛その他の症状
特に無し過去に受けていた施術
カイロプラクティック主な施術ポイント
仙腸関節の可動性
骨盤底筋の強化施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なうと、
尾骨に関しては仰向けになると当たって痛みが生じる。
恥骨に関しては、何かの拍子で痛みが生じるとの事。
左右の仙腸関節の可動性の違いがあり、
右の仙腸関節がハイポになっている。
また、右の腰から肩にかけての筋緊張が強い。
施術は関節調整と筋緊張部位のリリースを中心に行なう。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
骨盤に負担の掛けない座り方を指導。 2回目
3日後来院
恥骨に関しては今の所問題なし。
尾骨に関しては未だ痛み残存。
右の仙腸関節は前回よりはましだが可動性の悪さ残存。
施術は、前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋の強化をする為のトレーニング指導実施。 3回目
3週間後来院
実家に帰省していた為、通院間隔が伸びた。
実家で育児の負担が減ったおかげもあるのか、
尾骨痛、恥骨通に関しては、気にならない程度へ。
仙腸関節の可動性も左右差無く問題ない状態へ。
実家でトレーニング頑張っていたという事で、
骨盤の安定性も向上。 4~7回目
尾骨痛と恥骨痛は全く生じていない。
本人の希望として、
今度は体型の方にフォーカスを当てたいとの事で、
栄養指導、トレーニング指導をより細かく実施。
その結果、産前に履けなくなっていたデニムが履けるようになり、
体重は-2kgだが、体脂肪は3%ダウンした。 8回目
痛みに関してはその後も全く問題ない。
家の都合により、
今後の来院が困難となった為、
今回にて一旦産後のケアを終了とした、
後は、栄養やトレーニング等を自宅でしっかりと実施して頂くと、
更に体の変化はでるとお伝えして終了。考察
今回の症例は、産後から恥骨痛や尾骨痛にお悩みのケースであった。 産後に恥骨痛や尾骨痛にお悩みの方は結構多いです。
なぜなら、妊娠・出産時には骨盤には多大なストレスが掛かっているからです。 今回痛みの生じていた部位は、
恥骨と尾骨でした。
この痛みの原因は仙腸関節や恥骨結合の問題であったと考えれました。 本来、恥骨結合や仙腸関節は医学会でも、
この関節は、動くという先生と動かないという先生に分かれて論争になります。
それくらい、本来はしっかりと固定された部位なのです。 私はこの部位は動くという考えでいます。
でも、動くといっても数mmだけです。
でも、その数mm関節が動いて緩むことによって、
色々な問題が生じます。 今回の場合だと、恥骨結合の部分が数mm緩んだ事と、
骨盤底筋の低下により、
お腹に力を入れた時等に腹直筋の作用で恥骨が引っ張られ、
それによって痛みが生じていたと考えられます。 本来であれば、恥骨結合がガッチリと固定されていれば、
腹直筋が引っ張ったとしても痛みは生じません。
それが、緩んでいるが故に引っ張られたときに剪断ストレスがかかり
痛みが生じていたと思われます。 仙腸関節に関しても、関節が数mm動く事で
仙骨に引っ付いている尾骨の角度が変わります。
本来は尾骨が内側に収納されているはずが、
外側に跳ね上がるように位置してしまいます。 そうなると、寝た時等に尾骨が飛び出ているので、
それが当って痛みが生じてしまいます。 中には、出産時のストレスで仙骨自体は角度は変わらないが、
尾骨が脱臼したり、骨折したりしてそれによって痛みが生じている事もあります。 このように、妊娠・出産時の独特の身体の変化で、
関節に緩みが生じ、それによって角度が変わったり、
牽引・剪断ストレスが掛かって痛みが生じる事が多々あります。 それを解消する為には、
正常な位置に骨盤を整えてあげて、
骨盤底筋などの骨盤周囲の筋肉をしっかりと強化する事が重要です。 基本的に症状が無くても、
大なり小なり身体に、歪みや筋力低下は起こっています。
ある程度年齢が低く、初産であればそのままでも過ごす事も可能ですが、
そうでない場合は、歪みや筋力低下が問題を起こす可能性は高くなります。
ですので、出来る限り産後に症状が無くても専門の機関にて
一度は体の状態をチェックしてもらう事をお薦めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後恥骨の痛み【症例】