2019年5月24日 金曜日
【症例】床から立ち上がる時の恥骨と尾骨の痛みが改善した例
産後の恥骨痛と尾骨痛は非常に多い症状ではあります。妊娠中は勿論、分娩時に恥骨や尾骨には大きなストレスが掛かります。そのストレスが関節のズレを生じたり、関節の不安定性を生みます。中にはそのまま自然に回復するかたもいますが、多くの方は回復には至りません。では、どのようなアプローチによって回復に至ったのかを解説します。
利用者
20代女性 箕面市在住主症状
恥骨痛
尾骨痛その他の症状
肩こり
腰痛過去に受けていた施術
特に無し主な施術ポイント
仙骨の矯正施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、恥骨と尾骨が床に座った時や座った状態から立ち上がる時に痛む。
また、肩こりと腰痛が慢性的にあるとの事だった。
検査を行なうと、仙骨がニューテーションを起こしていた。
骨盤の歪みや安定性が損なわれている事による痛みと仮説をたてる。
仙骨の矯正を行い、骨盤底筋の入れ方指導を行なう。
また、骨盤への負担を掛けないような座り方についての指導を行なう。 2回目
3日後来院
恥骨・尾骨の痛みまし。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋の強化を目指したトレーニング指導実施。 3回目
8日後来院
恥骨・尾骨痛殆ど感じない程度へ。
仙骨のニューテーションはほぼ正常な角度へ。
最近は、肩こり・腰痛が強くなってきたとの事で
肩腰の調整を中心に行なう。
筋膜リリースや脊柱の調整を行なう。
また、脊柱や肋椎関節の可動性を出すセルフケアを指導。 4~5回目
恥骨・尾骨痛は消失。
肩こり残存。腰痛はたまにピキっとなる時がある。
検査を行なうと骨盤の可動性が左右で違いがある。
可動性が左右同じになるように調整をかける。
前回指導した、セルフケア以外にどこでも直ぐに出来るセルフケアを指導。 6回目
肩こり、腰痛は殆ど感じない程度へ
骨盤の可動性の左右差や仙骨の状態も良好。 8~10回目
尾骨・恥骨痛はその後全く再発することは無く、
肩こり腰痛もほぼ感じなくなった。
感じたとしても直ぐに感じない程度になる。
以前より身体全体が強くなった気がするのと事。
産後に履けなくなっていたパンツが余裕で履けるようにった。
更にそのパンツでは緩いので更に小さいサイズのパンツを購入したとの事。
8~10回目に関しては、通院間隔を空けてメンテナンスを行って経過観察を行っていたが
症状も全て消失し、体型も産前よりも良くなったとの事で産後の骨盤矯正は一旦終了とした。考察
今回の症例は産後からの恥骨・尾骨痛が主訴であった。 産後に恥骨や尾骨の痛みを生じるケースは多い。
産道を子供が通る為に、恥骨や尾骨は正常な位置より追いやられる。
それが、産後に残ったままになると座った時に尾骨が当って痛くなったり恥骨の痛みを生じやすくなる。 恥骨や尾骨の痛みを抑えていく上で重要なのは産後からの経過時間である。
個人差が非常にあるので一概には言えないが、遅くとも6カ月以内には産後の骨盤は固まってくる。
(中には1~2カ月で固まる方もいる) 一度、恥骨や尾骨の歪みが生じその状態で固まってしまうと、その歪みを元に戻すのは難しくなり時間を要する。
なので、出来るだけ早期に恥骨や尾骨の歪みは整えておく必要性がある。 考え方を変えれば、1人目出産時に恥骨や尾骨の歪みが生じていて何らかの症状があったにも関わらず、
そのまま放置していた人は、その歪みを元に戻すチャンスでもあるのである。
妊娠・出産・産後に骨盤の緩みが出て、固まってしまって矯正出来なかった恥骨や尾骨の矯正が可能になる。 よく、産前は色々な症状があったけども産後には色々な症状が出なくなって、
身体がリセットされた気がすると言われる方がいるが、
まさに、産後は身体をリセットして健康な身体の状態にするチャンスなのである。
ですので、産後はバタバタして気づけば月日が経っていた・・・と言う事は多々あるが、
出来る限り早期に身体を整えて、健康な身体作りをして頂きたいと思います。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後恥骨の痛み【症例】