2019年9月7日 土曜日
【症例】産後から尿漏れでお悩みだった方の解消例
産後直後は、尿漏れが酷く全く止めれない状態が続いていた。しかし、しばらくと経つとましにはなってきたが、咳やくしゃみをした時に漏れてしまうのが続いていた。このまま、尿漏れが続くのではないかと不安になり来院された。中には尿漏れが気になって外出するのを控えてしまう方もいます。そうなると、家に閉じこもっている状態になるので、ストレスがより増えてしまいます。そんな、尿漏れでお悩みの方の回復までの道のりを解説します。

利用者
30代女性 豊中市在住
主症状
尿漏れ
肩こり
その他の症状
下腹減っこまない
過去に受けていた施術
特に無し
主な施術ポイント
骨盤底筋
筋緊張リリース
関節可動性向上
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、産後から尿漏れが気になる。
尿漏れは産後2週間程は全く止められなかった。
今はそこまでではは無いが咳・くしゃみの時に漏れる。
肩こりが非常に強いとの事であった。
産後から下腹がぽっこりなっているのが気になる。
検査を行なうと、骨盤の歪み+、上半身の筋緊張が非常に強い。
アームラインの緊張も強い。
骨盤調整、胸郭中心とした施術を行なう。
骨盤底筋の入れ方指導→非常に弱い
2回目
4日後来院
肩こりは施術して次の日までは楽になったがそれ以降は辛さが再出。
骨盤の歪みは整う。上半身・アームラインの筋緊張は依然として強い。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→弱い→再指導を行なう。
肩甲骨周囲の筋緊張緩和の為のセルフケアを指導。
4回目
咳やくしゃみ時の尿漏れが若干ましになってきた。
肩こりは以前よりましな状態を維持できている。
ぽっこりお腹が若干減っこんできた。
上半身の筋緊張は初回時よりはましであるが、残存している。
側胸部の筋緊張や関節の可動性が低い。
側胸部の緊張や可動性を高めるためのセルフケアを指導。
施術は前回までと同内容で実施。
骨盤底筋チェック→ようやく自身でも感覚が解るようになってきた→更に骨盤底筋強化の為のトレーニング指導実施
5~10回目
尿漏れは時々、咳やくしゃみをした時に出る。
肩こりは長時間抱っこをしたりすると痛みを生じる。
その他の時はそこまで感じない程度へ。
胸椎の硬さが残っている感じであったので、胸椎の可動性を出すセルフケアを指導。
骨盤底筋トレーニングに関しては、随時負荷を上げて指導を行っていたが成長曲線はゆっくりであった。
11回目~
尿漏れは消失。
肩こりは、旅行行ったり、子供が入院して看病したりとしていると症状が強くなる。
下腹に関しては、本人確認すると産前と同じ状態に戻ったとの事。
現在は、通院間隔を空けてメンテナンスを行い経過観察を行っている。
イベント事などがあって、疲労が蓄積すると症状が出る状態なので、
もう少し調整を行なって痛みや違和感があっても
寝て起きたら気にならない状態になるように整えたい。
その為の、施術やセルフケアを指導している状態である。
考察
今回の症例は産後から肩こりや尿漏れでお悩みのケースであった。
産後の尿漏れは実は皆さんあまり他人には言わないだけで、非常に多くの方が生じている。
多いのは、咳やくしゃみ、動こうと思ったとき等お腹に力が入った時に尿漏れがを生じるパターンである。
原因として多いのは骨盤底筋の機能不全である。
骨盤底筋の働きとしては、
1、骨盤の安定性を高める。
2、内臓が下垂しないように支えている。
3、尿道や肛門を締めたり緩めたりする働きがある。
骨盤底筋は、妊娠中は赤ちゃんがお腹の中にいる状態なので
骨盤底筋が下から常に支えている状態である。
産前に比べ骨盤底筋は1.5倍~3倍は常に引き伸ばされた状態に醸される。
そうすると、産後にお腹から赤ちゃんがいなくなっても骨盤底筋はそのまま伸びた状態である。
骨盤底筋が働いて尿道を締めたりしていたのがその働きが低下してしまうので、
尿漏れを起こしやすい状態に陥ってしまうのである。
勿論、すべての症例が骨盤底筋だけの問題だけでありません。
神経系の問題や膀胱の問題、子宮の問題、内臓系の問題など色々な原因があります。
しかし傾向として、骨盤底筋低下により起こっているパターンが多いです。
ですので、しっかりと骨盤底筋のトレーニングを行なう事が重要になります。
ひと昔前だと、骨盤底筋ってしってますか?と質問してもほぼ全員が知りませんと言っていましたが、
最近はヨガをする方が増えて来たり、雑誌でも取り上げられたりネット上でも取り上げられる事が多くなってきた事もあって、
骨盤底筋という言葉を知っている方は増えてきました。
しかしながら、ちゃんと骨盤底筋トレーニングが出来ている方は非常に少ないです。
骨盤底筋トレーニングは膣締めて~肛門締めて~とそんな簡単に出来るものではありません。
勿論、慣れてしまえば簡単に出来ますが、初めは難しいと思います。
しっかりと骨盤底筋のイメージ(解剖学的な)を持って、どこを鍛えてるかをイメージして、
トレーニングしないと骨盤底筋ではなくお尻の筋肉であったり足の筋肉に力が入ってしまいます。
それでは、やってもやっても尿漏れは中々良くはなりません。
また、イメージがバッチリでも身体の歪みがあれば骨盤底筋は力が発揮しにくくなります。
ですので、尿漏れを良くしていこうと思えば、身体をしっかりと整えて骨盤底筋が力を発揮しやすい環境を作り、
骨盤底筋をイメージして骨盤底筋に触れてトレーニングをする事で初めて良い方向へと向かいます。
尿漏れが気になって、外出を控える方も多いと聞いています。
そんな事にならないように、産後はなるべく早期に専門の機関にてケアを受ける事をお薦めします。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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