2018年8月30日 木曜日
【症例】産後のあらゆる部分の痛み
今回の症例の方は、産後から肩・腰・膝・手首とあらゆる部分の痛みを生じたケースであった。上記の部分は産後に痛みを生じやすい部分ではある。今回のようにすべての部分に痛みを生じてしまうと育児どころか日常生活にも支障が出てしまう為、早期の回復が望まれた。このように全身の痛みを伴った方の回復への道のりをご説明します。

利用者
20代女性 伊丹市在住主症状
腰痛
肩こり
膝痛
腱鞘炎その他の症状
特に無し過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
関節・筋肉調整
セルフケア施術の経過と内容
1回目
検査を行って行くと、肩の高さが左右で違ったり、反り腰が見られたり、
骨盤の歪みが見られたりと全体的に体の歪みが目立つ。
肩関節を動かしていても、重い感じがあり循環が低下していると考えられる。
胸椎、肋椎関節、手関節は硬さで可動性が悪い。膝関節は緩い。
先ず、全体の歪み調整を行ない、循環を促す施術を行なう。 2回目
2日後来院
手首が少しましになったが、他は大きな変化は無し。
前回同様の施術を行なう。
前腕骨間膜の緊張が目立ったため、同部位のリリースをかける。
骨盤底筋の入れ方指導実施。骨盤底筋の力が前後左右でバランスの悪さがある。 3回目
1週間後来院
大きな症状の変化無し。
骨盤底筋チェック→やはり前回同様前後左右でバランスの悪さが目立つので再教育を行なう。
前腕の緊張が強い為、前腕のストレス軽減の為のセルフケアを指導。
施術は前回まで同様の内容で行なう。 4回目
1週間後来院
膝、腰、肩に関しては大分楽になってきたが、
手首の痛みが、子供の体重が増えてきてから増してきた。
肩の高さ、反り腰、骨盤の歪みに関しては改善。
また、循環の低下も改善され、体の重たい感じは解消。
近位橈尺関節、遠位橈尺関節、肘関節、手関節、手根骨の調整を中心に行う。
また、手関節の安定性向上の為のセルフケアを指導。 5回目~10回目
症状は、手首の痛みのみへ。
抱っこ長時間になったりで手首を良く使うと痛みが悪化し、
あまり使わないようにすれば痛みがましになったり。
良くなったり、悪くなったりの繰り返しで、安定しない。
施術としては、胸椎、肋椎関節から、肩関節や肘関節、手関節等の関節調整と、
肩~手首に付随する筋肉への調整を行なう。 11回目~
手首の痛み、ほぼ気にならない程度へ改善。
手関節周囲の関節・筋肉に対するセルフケアを指導。
現在はセルフケアをしっかり実施すれば問題ない範囲と判断し、
通院間隔を空けて経過観察を行っている。考察
今回の症例は、産後から起こる腰痛、肩こり、膝痛、手首の痛みであった。
肩こりと腰痛や膝痛に関しては、骨盤底筋の弱りにより骨盤の歪みが生じたり、
安定性が損なわれた事によって、各関節への負担が上昇した事により生じていたものと考えられる。
本来、骨盤は大きな部分である為、人間の身体を支える上では非常に大きな役割を担っている。
そこが、弱ってしまうと各関節や筋肉への負担が倍増する。
また、今までの生活と比べようの無い程膝を曲げたり、抱っこしたりで肩、腰、膝に負担が掛かるので
痛みを生じやすいのである。
今回のケースは歪みを整えて、骨盤底筋が力を発揮しやすい環境を作り、骨盤底筋の出力があがると症状は落ち着いた。
手首の痛みに関しては、時間が掛かってしまったが無事に気にならない程度まで改善に持ってこれた。
手首の痛みは、手首自体に問題がある場合もあるが、肩関節や肘関節等と繋がりが強いため、
アームライン全体が整わないと改善しにくい。また、多くの方が手首が痛くても育児で使わざる負えない為、
一度慢性化してしまうと改善に時間が掛かってしまう事がある。
来院時に施術を行なうと、施術後は痛みが落ち着くが、次回来院時には症状が戻っている事が続いた。
今回少し時間が掛かってしまった原因として、私の見落としがあった。
それは、先ほども述べた毎日育児をしなければならず、日々ストレスが掛かっているという事である。
その単純な事が抜けていた為、施術後は良くてもまた悪化してしまうというサイクルが続いていた。
そこで、患者さん自身でも出来るセルフケアを指導して、しっかりと実施して頂くと良い方向に向かっていった。
初期の症状の軽い手首の痛みであれば1回の施術で改善も望めるが、慢性化状態であれば、日常生活で5kg~8kgを抱っこしたり
しているので、ストレスが掛かって当たり前なので痛みが落ち着かないのはありえる。
なので、セルフケアをして頂いて少しでもストレスを軽減させるのが非常に重要だという事が身に染みて学んだ症例であった。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後疲労感【症例】