産後の体重増加
私たちはダイエット屋さんでは無いのであくまでも妊産婦ケアの専門家として健康的なダイエットの考え方をお伝えしたいと思います。
Contents
健康な人は美しい
初めにご理解いただきたいことがあります。
私たちはダイエット屋さんでもなく美容の専門家でもありません。
『体をよくする専門家』です。
ですから「いついつまでに〇〇kg痩せる!」とか
過激な食事制限や上のトレーニングを行うことは
しませんしコミットもしません。
予めご了承ください。
重要なのはまず健康になると言うことです。
健康な状態であれば本来の適正体重というものに自然となっていきます。
その健康のために必要な施術、トレーニング、栄養管理をおこないます。
大前提「健康な人は美しい」ということです。
本当に健康的な活力があり美しく見えます。
「健康で美しい状態」になるための方法を今回は体重というテーマで解説していきたいと思います。
妊娠中の体重増加の内訳
- 胎児:2500~3500g
- 胎盤:500~600g
- 羊水:700~850g
- 子宮:500~1000g
- 乳房:500~1500g
- 水分・循環血液量:2000~2500g
- 蛋白貯蔵・皮下脂肪:3000~4500g
妊娠中にこれだけ体重は増加します。
胎児、胎盤、羊水の分量は確実に減少します。
問題はその他の部分の減少の仕方です。
骨盤が開くと痩せないのか?
よく「骨盤が開くと痩せない」と言われますが果たして本当でしょうか?
これは半分正解で半分間違いといったところです。
そもそも骨盤と言うのは皆様が想像しているほどは開きません。
骨盤の話をここで詳しくするとややこしくなるので簡単に説明します。
通常時骨盤はほとんど動きませんが産後骨盤は緩くなっている状態です。
その骨盤がしっかり安定していないと骨盤周辺の筋肉も力が入らなかったり
逆に力が入りすぎたりとアンバランスな状態になります。
また骨盤そのものというよりも骨盤の底にある骨盤底筋群と言われる筋肉が
弱る事、腹筋が引き伸ばされて弱っている事で
内臓は下垂傾向にあります。
これらの要因は代謝の低下などに繋がると考えることもできます。
ただ、骨盤の状態が緩く骨盤底筋群がしっかり働いていない人全員が
体重の問題を抱えているかというとそういうわけではありません。
したがって 「骨盤の開き=体重の増加」というふうにはなりません。
産後の体重増加の内容
- 皮下脂肪
妊娠中に蓄えられた皮下脂肪。
この量が多ければ多いほど体重は戻りにくいと言えるでしょう。
皮下脂肪は内臓脂肪にくらべても落ちにくいことが知られています。 - むくみ
体重増加の内訳でご案内したように妊娠中に水分量はかなり増加します。
その水分の代謝がうまく行っていなかったり栄養状態などにより
むくみが増加することで体重が減少しないことが考えられます。
なぜ皮下脂肪や浮腫が残存するのか?
- 妊娠中の太り過ぎ
妊娠中に冷えを感じていたり食生活が悪かったり
運動が不足していたことなどにより脂肪が蓄えられていた。 - 筋力の低下
妊娠中の運動不足により筋肉量が低下し代謝が落ちる。 - 内臓の働きの低下
内臓の下垂や疲労などにより働きが悪くなり
代謝が低下していることも考えられます。 - 姿勢の崩れ
妊娠中や抱っこの姿勢などでバランスが崩れ
使うべきところが使われず偏ったところばかり使われることで
体のめぐりも悪くなることが考えられます。 - 栄養の過不足
栄養の過剰はもちろん体重増加を招きますが、
実は栄養不足や摂取するタイミングなどでも体重の増加の関与します。 - 疲労
実はこの疲労がポイントになります。
疲労していると痩せるイメージがあるかもしれませんが
疲労していると体が危機感を感じエネルギーを溜め込もうとし
体重増加につながることがあります。
一人目の時は体重が落ちて二人目、三人目は落ちない理由
一人目の時は体重がすぐに戻ったのに
今回は中々落ちないという方も多いかと思います。
その理由はシンプルに「代謝が落ちている」ということになります。
一人目の出産以降に筋肉量などが戻っていない事が主な原因と考えられます。
産後の体重ケアでの注意点
体重の落としすぎも注意
特に見出し授乳をされている方は体重の落としすぎにも注意してください。妊娠前を下回った!と手放しには喜べません。
エネルギー切れになりおっぱいが出なくなったり、
疲労で動けなくなってしまうこともあります。
妊娠前+2kgが理想と言われています。
体重よりも体脂肪率を意識しよう
脂肪よりも筋肉の方が重たいという話は聞いたことがあるかもしれません。実際トレーニングなどを行うと体重が変わらなかったり
逆に体重が増加することもあります。
体重ではなく体脂肪の減少や見た目の引き締まり感を意識しましょう。
元々適正体重より痩せていた人は中々落ちない場合があります
元々適正体重より痩せていた人は中々落ちない場合があります。妊娠前の体重が適正体重よりかなりひくかった方は
授乳中はエネルギー保持のため体重が落ちにくい傾向にあります。
まずは適正体重をしり必要以上に落とすことを避けましょう。
適正体重の出し方
適正体重 = 身長(m)×身長(m)× 22
産後の体重を戻すために当院で行う事
- 骨盤を含めたバランスの調整
骨格のバランスや神経系の働きを高めて体が最大限動ける状態を作ります。 - 疲労の除去
分娩ダメージ、育児での疲労を取り除き代謝が正常に行われるような体を目指します。 - エクササイズ指導
呼吸の正常化や筋力強化、ボディメイク、疲労除去のためのエクササイズをお伝えします。 - 栄養指導
栄養状態をヒアリングし適切な栄養摂取方法をお伝えします。
最後に
しつこいようですが私たちはダイエット屋さんではなく
あくまでも健康な体を作ることが仕事です。
ですから、過激なダイエットやいつまでに〇〇kg落とすといったことにコミットはしません。
健康な体の状態を作ることでその時の適正体重に戻ると考えています。
それだけでも理想の状態になられている方はたくさんおられます。
健康に正しく綺麗になりたいという方は予めご理解の上是非ご相談ください。