2020年8月15日 土曜日
【症例】肩、両手首、膝と産後に問題が起こる部位全てにお悩みがあった方の解消例
産後から肩こり、膝裏の痛み、両手首の痛み、疲労感を強く生じていました。産後に症状が出やすい部位に全て症状が出ていました。また、疲労感も強かったため、悪循環に陥っていました。痛みがあっても疲労除去がしっかりと出来ていれば持ちこたえれるのですが、それが今回のケースでは出来ていませんでした。では、そんな方の回復に至るまでの道のりを解説していきますね。

利用者
30代女性 豊中市在住
主症状
肩こり
膝裏の痛み
両手首の痛み
その他の症状
疲労感
過去に受けていた施術
マッサージ
鍼灸治療
主な施術ポイント
一カ所に負担が掛かりすぎないような体作り
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
色々な部位に症状が出ていました。
肩は慢性的に痛みがあり、
肩を挙上したり、横に挙げようとすると痛みを生じ、
スムーズに関節も動かない状態であった。
肩の筋肉は誰が触っても解る位のガチガチ状態でした。
膝裏は授乳などで胡坐を組んだ状態から
立ち上がろうとした際に痛みを生じる。
両手首は抱っこなどをしていると痛みを生じる。
全身の疲労感があり、寝てもなかなか疲れが取れない状態でした。
施術は全身の緊張が強く、疲労の色も強いので、
副交感神経が高まるように、循環を促すような施術を行なう。
骨盤は不安定性が強く、身体を支えられてないようなのでトレーニング指導を行なう。
身体に負担の掛かりにくい授乳姿勢の指導、
抱っこの際に手首に負担が掛かりにくい使い方の指導を行なう。
2回目
1週間後来院
肩こりはまし。
膝裏の痛みは短時間であれば痛みが生じなくなった。
長時間座っているとまだ症状が出る。
両手首はそんなに感じない程度へ。
疲労感は大分ましになった。前回後、朝起きたらスッキリ感が久しぶりに出た。
施術は、胸椎、肋椎、頸椎、仙腸関節などの関節への調整を中心に行なう。
肩~背中にかけてのセルフケアを指導。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
3~8回目
肩こりは一時的にしんどくなる事はあるが、
翌日になれば気にならない程度へなっている。
両手首の痛みは問題無し。
疲労感も寝たら翌日になれば解消されているレベル。
膝裏の痛みが残る。
初回に比べると大分ましになっているが、
ペインスケール3~4辺りをウロウロとする感じ。
身体の状態をチェックすると、
下半身の筋緊張が毎回強い。
特に大腿四頭筋や大腿筋膜腸筋などの緊張が強い。
同部位のセルフケアを指導。
しっかりと、セルフケアが出来た時は膝裏の症状はましになるが、
あまりできていないと強めに出る状態が続く。
大腿全面が優位になる身体の使い方、姿勢が原因と考え、
姿勢矯正や、大腿後面を使えるようにするトレーニング指導を実施。
9~12回目
膝裏の痛みが残存。それ以外は全て解消。
膝裏の痛みはペインスケール2が残る。
施術は引き続き、下半身を中心に施術を行なう。
13回目~
膝裏の痛み解消。
肩、手首、疲労感も再発はしていない。
現在は、通院間隔を空けて症状の再発をしないようなメンテナンスを行いつつ、
健康な状態で元気いっぱい育児が出来るような体作りを中心に施術を行っています。
考察
今回の症例は、産後から肩こりが悪化し、両手首の痛みが生じ、膝裏の痛みが生じ、
寝て起きても疲労感が取れないという症状でお悩みのケースでした。
産後に肩こりや背中の痛み、手首の痛み、疲労感でお悩みの方は非常に多いです。
どうしても、上記の部分はよく使う部分なので負担が掛かります。
今回の場合、手首は手首、肘、肩の関節の状態は悪くありませんでした。
その為、筋肉疲労が過度に掛かっていた為に起こっていた問題だと考えました。
筋緊張の強い部分を緩めて、普段の手首の使い方を指導すれば割とすぐに症状は落ち着きました。
症状が強い人の場合、筋緊張も強く関節の状態も悪く、ホルモンバランスも大幅に崩れているので、
回復までに時間を要する場合もあります。
肩こりは抱っこ、授乳などで負担が相当かかっています。
それを取るためには、肩、首、肘、手首、背中、腰などと疲労部位の調整が必要です。
何故なら、思い返して欲しいのですが、抱っこしてる際は上記に挙げた部分を全部使っていますよね?
そう、抱っこや授乳は意外と全身運動なんです。
だから、肩がしんどいからといって肩をマッサージしたからといって解決しません。
一時的には気持ちよく楽になった気がしますが、時間の問題です。
早い人は1~2時間後には元通り!という方も多いです。
疲労感については、
疲労というのは体内に疲労物質というものが流れています。
その疲労物質を外に排出したいのに、
関節が、筋肉がガチガチの状態だと排出できません。
また、ガチガチの状態だと自律神経も乱れます。
交感神経が優位になり、副交感神経が高まってきません。
そうでなくても、
育児をしていると以前の様にぐっすりと寝る事は出来ず睡眠時間が短くなっているのに、
睡眠の質が悪くなるので、朝起きてもスッキリ感が出なくなります。
最後に膝裏の痛みです。
これに関しては、回復までに時間が掛かりました。
原因としては太腿前面の筋肉と太腿後面の筋肉のバランス不良から来ていました。
基本的に日本人は骨格の構造上、前面の筋肉を優位に使いがちです。
お腹が出た、反り腰の状態になる方が非常に多いです。
反り腰の状態だと、
太腿前面の筋肉が更に負担が掛かります。
太腿後面の筋肉がしっかりと働いていれば、
反り腰にならないように抑制してくれるのですが、
多くの方が後面の筋肉が低下しているので、それができません。
なので、大腿前面の筋肉だけが過度に負担がかかり、
前後のバランスが悪くなるために問題が起こります。
下半身がしんどいと感じる方はあまり多くありません。
しかし、実際は非常に負担が掛かっています。
施術をすると、下半身がそんなに悪かったんですね!!と仰る方が非常に多いです。
自分では気づけていないんですね。
私達は、
そんな自分では気づけていない部分を探してしっかりとケアをする事で、
皆様のお悩み解消に向けて取り組んで行ってます。
なので、
この症状は関係無さそうだから施術者に言わないでいいかー。
ではなく、関係無さそうに思えてもそれが治療のヒントになったりします。
どんな、小さな事でも良いですし、今は大丈夫だけど以前にあった症状でも構わないので、
気になる事があれば、施術者に伝えてみて下さいね!
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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