2019年12月6日 金曜日
【症例】日常生活に支障の出る腱鞘炎の解消例
今回の症例は、右母指のMP関節部分がペンを持ったり、包丁をもったり、瓶や蓋を空けようとすると痛みを生じていた方です。今までは、痛みが出たとしてもそのうちに良くなっていたのが、今回に関しては一向に良くならないという事で不安になり来院された。そんな方の回復までの道のりを解説していきますね。
利用者
60代女性 箕面市在住主症状
親指の痛みその他の症状
猫背過去に受けていた施術
特になし主な施術ポイント
骨格的要素・筋肉的要素の解消施術の経過と内容
1回目
問診を行うと、右母指のMP関節部分にペンを持ったり、
包丁を持ったり、瓶やペットボトルの蓋を開ける動作など日常生活動作で痛みが生じる。
毎年、この時期になると痛みを生じては落ち着くというのを繰り返していたが、
今回は全く痛みが引かないとの事。
猫背に関しては、姿勢評価をすると胸椎の後弯が顕著で猫背姿勢。
施術は、母指に対するアプローチを中心に行う。
骨格的な要素としては、橈尺関節、胸椎、肋椎関節の可動性が非常に悪かったので、
上記部位の可動性を出す施術を行う。
筋肉的な要素としては、前腕伸筋群、前腕屈筋群、肩甲骨周囲のインナーマッスル、
後頭下筋の筋緊張が強かったので、上記部位のリリースを行う。
猫背に関しても上記の要素が関与していると考えられるので、
母指と猫背の施術を同時進行で行うイメージで実施。 2回目
翌日来院
右母指の痛みまし。
しかし、重いものを持つと痛みが生じる。
施術は前回と同内容で実施する。
筋肉的な要素で前回アプローチをかけた部分は緊張低下傾向。 3回目
6日後来院
2回目からは大きくは変わらず。
母指は捻ったり、重いものを持つと痛みを生じる。
骨格的な要素は初回に比べると可動性が改善傾向。
施術は前回までと同内容で実施。 4回目
10日後来院
右母指に関してはましにはなってきてるが、
今日の朝から寝違いになり、首が回らない。
寝違いに対するアプローチを行う。
肩甲胸郭関節と胸椎に対するアプローチを中心に行うと、
首は回るようになり、痛みも気にならない程度へ変化。
右母指に対するアプローチも引き続き行う。
施術は前回と同内容で実施。 5~7回目
寝違いは4回目以降問題なし。
右母指に関しては、日常生活レベルであればあまり痛みを生じない程度へ変化。
ハサミを家でよく使うが、しばらく使っていると激痛ではないがピキッと痛みを生じる。
施術は基本以前までと同内容で実施したが、手根骨の調整も追加で行う。 8~10回目
右母指に関しては、あまり気にならない程度に変化。
猫背に関しては細かい作業を長時間行った後などは乱れやすい。 11回目
右母指の痛みはほぼ消失。
ペインスケールは1
姿勢評価をすると、猫背は初回に比べるとまし。
自身でも以前より良くなっているのを感じるとの事。 12~13回目
右母指の痛み完全に消失。
11回目辺りから、通院間隔を開けて症状が再発がしないか、
メンテナンスを行いながら経過観察をしていたが、
そういった傾向が一切無かったので、今回にて一旦終了とした。考察
今回の症例は、母指の痛みでお悩みのケースでした。 右母指のMP関節がペンを持ったり、包丁を持ったり、瓶やペットボトルの蓋を開ける動作など
日常生活動作で痛みが生じていた。 毎年、この時期になると痛みを生じては落ち着くというのを繰り返していたが、
今回は痛みが一向に引かないという事で来院された。 この方は普段からハサミをよく使ったりして細かい作業をよくされるので、
普段から負担が掛かりやすい状況ではあった。 初回に評価を行うと、骨格的な要素の、橈尺関節、胸椎、肋椎関節の可動性が非常に悪かったのと、
筋肉的な要素の、前腕伸筋群、前腕屈筋群、肩甲骨周囲のインナーマッスル、後頭下筋の筋緊張が強かった。
それらが、母指の痛みの要因にもなり、猫背の要因にもなっていると考えられた。
その為、上記の骨格的要素と筋肉的要素を継続してアプローチをかけて行った。 今回のような、母指の痛みや腱鞘炎などの施術で難しい部分は安静にする事が難しい場合が多いという事です。
使い過ぎで負担がかかって痛みが生じているパターンが多いので、
単純に言えば、使わなければ負担はかからないので痛みは落ち着くはずです。 整形外科に行ってお医者さんに診てもらった時も、
「使い過ぎなので、指や手首を使わないようにして下さい」と言われる方が非常に多いです。
でも、それって可能ですか?
利き手と反対側であれば使わない事も可能ですが、利き手であればどうしても使わざる得ないし、
ましてや、使うのが仕事であれば絶対使わざる得ないですよね?
そういった状況でもしっかりと回復して行く必要性があるのです。 その為には、ストレスに耐えうる身体を作って行く必要性がありますし、
ストレスに対する対処法(セルフケア)を家で実践する必要性があります。 勿論、個人差もあるし使う頻度にもよりますが、
しっかりと身体を整えれば、使いながらであっても良い方向に向かいます。 但し、家で注意点を守ったりセルフケアをしっかりと実施して頂くことが必須になりますね。
これを読まれているあなたも、最近ここが調子悪いけどそのうち治るからもう少し様子見ようとか、
前もこんな事あったけど、そのうち治ったから今回も大丈夫でしょうという考えは危険です。 人間の身体は常に変化しています。
今日のあなたは昨日のあなたと全く同じではありません。
良くも悪くするのもあなた次第ですよ。
今、痛みや違和感でお悩みの方は、
後からもっと早く行っとけば・・・と後悔しないように
出来るだけ早期に専門の機関にてチェックして貰って下さいね。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 腱鞘炎【症例】