2020年3月13日 金曜日
【症例】妊娠中から産後に至るまで左腰の症状でお悩みだった方の解消例
妊娠中から左腰の症状でお悩みのケースでした。婦人科の先生には妊娠中は痛みがでて当たり前だし、そのうち収まるからといわれたが週数が経つにつれて酷くなってきた。流石に我慢できずに来院されました。確かに妊娠中だから仕方が無い部分もありますが、しっかりとケアを行なえばストレスなく生活することが可能です。そんな今回のケースの回復までの道のりを解説しますね。
利用者
30代女性 茨木市在住主症状
左腰の痛みその他の症状
特に無し過去に受けていた施術
マッサージ
鍼灸治療主な施術ポイント
仙腸関節の可動性
骨盤後傾施術の経過と内容
1回目
問診検査を行っていくと、
妊娠中で現在37週である。
左腰が座る瞬間や仰向けになると痛い。
左仙腸関節の可動性が非常に悪い。
骨盤が後傾に行かない。
腰椎の可動性も低く、
脊柱起立筋の筋緊張も強い。
上記の可動性の悪い部分のアプローチと、
筋緊張部位のリリースを行なう。 2回目
2日後来院
左腰の痛みまし。
仙腸関節の可動性向上
骨盤後傾はまだ行きにくさが残る。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
ペルビックティルトで骨盤の可動性をだすセルフケアを指導。 3回目
1週間後来院
左腰の痛み初回の半分以下へ。
仙腸関節の可動性は問題ない状態。
骨盤後傾も可動性が出ている。
腰椎の可動性も問題ない範囲内へ。
症状がある程度落ち着いたことと、
妊娠週数も考慮して、
今回にて一旦終了とした。 4回目
2ヶ月程度後
出産して来院。
左腰の痛みはそこまで気にならず出産に望めたとの事。
産後は痛みは無いが腰周囲の不安感があるとの事。
検査を行なうと、
仙腸関節と腰椎の硬さがやや出ている。
骨盤後傾もやや行きにくい。
上記部位の調整を行なう。
骨盤の不安定性を高めるためのアプローチを中心に行なう。
骨盤底筋の復習 → 更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。 5回目
5日後来院
腰周囲の不安定感軽減。
仙腸関節、腰椎の硬さ軽減。
施術は前回と同内容で、骨盤の安定性を高める施術を行なう。 6回目
2週間後
色々忙しくてセルフケアは一切していない。
骨盤の不安定性がやや高くなっている。
左腰の痛みがやや生じている。ペインスケール2
再度関節の安定性を高める施術を中心に行なう。
骨盤底筋の出力はそこまで悪くないが不安定性はある。
そこで、骨盤底筋と連動する、内閉鎖筋トレーニングを指導。 7回目
1週間後
骨盤底筋や連動させる筋肉を意識して立ち上がったりすると、
痛みは出ないが、そこを意識しないと痛みを若干生じる。
トレーニングは時々実施しているとの事。
骨盤の不安定性は前回よりは向上。
引き続き骨盤の安定性を高めるための施術、トレーニング指導を行なう。 8回目~
その後、
腰周囲の不安定感は消失。痛みも消失。
モーションパルペーションでも、関節の不安定性は無くなった。
現在は、通院間隔を空けてメンテナンスを行い
育児疲労や、肩こりなどが出た場合にケアを行い、
より良い状態で育児に望めるように身体を整えて経過観察中である。考察
今回の症例は、妊娠中から産後にかけて来院された方のケースです。 妊娠初期から左腰の痛みを生じていた。
座る瞬間や下の物を拾う時などにズキッと痛みが生じていた。
初回に来られた際は、妊娠週数は37週であったが妊娠初期からずっと痛みを伴っていた。
病院では妊娠中はそんなものと言われていた事もあり、
我慢していたが、流石にしんどくなってきたので来院されたとの事でした。 妊娠中は姿勢の変化やホルモンバランスの変化により大きく身体は変化します。
それに伴って痛みなどの問題も生じやすいです。 今回の場合は左腰の痛みを生じていました。
左仙腸関節の可動性が悪くなっていて、骨盤の後傾が出にくくなっていた。 座る時、
本来骨盤は後傾と言って後に骨盤が倒れます。
しかし、その動きが出なくなっていたので
痛みが生じていたものと考えられました。 妊娠中はお子さんの頭の向きなどによって、
重心が変わる事もあります。
左に頭があれば、左重心になりやすいです。
そういった事で、
左側に負担がかかり関節の可動性が低下したり、
左側の筋肉に過度に負担が掛かったりします。 また、
産後の症状などからも複合すると、
元々左側の筋肉の出力が弱かったと思われます。
骨盤底筋は最も重要ではありますが、
それと連動して働く内転筋や腹横筋や内閉鎖筋なども重要になります。 それらが弱かった上に、
お子さんの成長で負担がかかり
症状が出やすくなっていたと考えられました。 骨盤は仙腸関節と恥骨結合という関節から成り立っています。
本来この関節はほぼ動かない関節と言われています。 それが、
妊娠中から産後直後は
ホルモンバランスの変化で緩みが出ます。
その為、関節が数mmではありますが動きが出ます。 たかが数mmと思われるかもしれませんが、
これが非常に大きいのです。
その数mmの動きで産後のお母さん方の多くが、
骨盤がグラグラすると感じるのですから。 ですので、
妊娠中も産後もホルモンバランスが乱れるのは防ぎようがありませんが、
その状況でも身体に負担が掛かりにくい状態に歪みを整えたり、
自分の身体を支えやすい状態へと整えてあげると、
快適な生活を送れるようになります。 妊娠中も産後も後手になると
症状が悪化しやすいです。
早め早めの行動をする事をお薦めしますね。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : マタニティ腰痛【症例】