2020年7月31日 金曜日
【症例】妊娠中の殿部の痛みでお悩みだった方の解消例
初回来院時が妊娠中で29週第2子妊娠中。第1子妊娠中の時も同様の症状があった。仰向けに寝た時や歩き始めの時に殿部と恥骨に痛みを生じていた。第1子の時は何とか最後まで我慢できたけど今回は我慢できずに来院された。そんな以前からの症状からの回復に至るまでの道のりを解説していきますね。

利用者
30代女性 池田市在住
主症状
殿部痛
その他の症状
恥骨痛
過去に受けていた施術
特に無し
主な施術ポイント
骨盤の安定性獲得
施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、
現在29週で2人目のお子さんを妊娠中。
1人目の時もあったが、
仰向けに寝た時や、歩き始め、長時間の同じ姿勢から
体勢を変える時に殿部に痛みを生じる。
恥骨の痛みは体勢を変える時等に痛みを生じやすい。
検査を行なうと、
骨盤の歪みが生じており、骨盤は非常に緩くグラグラの状態でした。
まずは、骨盤矯正を行い、関節に安定性が出るような施術と、
骨盤底筋の入れ方指導、骨盤周囲に負担の掛かりにくい座り方の指導。
梨状筋のリリース、脊柱全体の硬さが目立ったため脊柱の調整を行ないました。
2回目
2日後来院
殿部の痛みは、ましにはなったがまだ痛みが残る。
恥骨の痛みは大分軽減した。
施術は基本、前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤周囲を安定させるためのトレーニング指導実施。
前回、座り方について指導をしたが、横座りをしてしまうことが多いとの事で、
再度、横座りの危険性について説明し、負担の掛からない姿勢をとるよう指導。
3回目
1週間後来院
週の半分くらいは非常に楽だった。
初回に比べると、骨盤の緩さは解消されていて、グラグラ感は出ていない。
施術としては、骨盤の安定性を高めるような施術と、殿筋(梨状筋中心)のリリースを行なう。
また、骨盤底筋のみならず下肢の筋肉を連動させたトレーニング指導を実施。
4回目
2週間後
殿部の痛みはそんなに気にならない程度へ。
恥骨の痛みは完全に消失した訳では無いが、
2回目以降特に気にならない程度で安定している。
歪みや、関節の不安定性、筋肉の過緊張は大分解消されているので、
自宅で出来るトレーニングを中心に実施すれば問題無いと判断し、
今回にて、マタニティケアを一旦終了とした。
考察
今回の症例は、妊娠中の殿部の痛みと恥骨の痛みでお悩みのケースでした。
来院時は、29週で2人目のお子さんを妊娠中でした。
1人目の時も今回と同様の症状がでたとのことでした。
1人目の時は、何とか耐えれる程度であったが、
今回は、耐えれないという事で来院されました。
体の状態を検査すると、
骨盤は歪みが生じており、関節も非常に緩くグラグラの状態でした。
それに伴って、殿筋や腰部の筋緊張が強くなっていました。
また、脊柱は頸椎も胸椎も腰椎も非常に可動性が悪くなっていました。
妊娠中はホルモンバランスの影響で全身の関節が緩みます。
特に骨盤周囲には、お子さんが宿る場所でもあり負担が掛かります。
また、妊娠前に比べると活動量も低下する傾向にあります。
そうなると、筋力低下も顕著になります。
体重は日々増えていくが、それを支える為の関節は緩み、筋肉は低下していく。
そんな状態になれば、体は悲鳴を上げるのはある意味当たり前ですよね。
妊娠中は関節の緩みや、筋力の低下はみんな起こります。
但し、程度を超えると痛みなどの問題が生じます。
なので、問題が起きない程度に関節の緩みを押さえたり、
筋力の低下を防ぐためのトレーニング実施が重要になります。
これらは、妊娠中を快適に過ごすという意味でも重要ですが、
産後にも関係があります。
妊娠中に関節が過度に緩まないようにしたり、
筋力低下が起こらないようにしておくと、
産後のストレスに耐える事もできますし、産後からの回復力もアップします。
今回のケースに関しては、
仙腸関節や恥骨結合と言われる、
骨盤の関節の不安定性から、
周囲の筋肉や関節に過度に負担がかかり、
痛みを生じていたと考えられました。
妊娠出産は非常に喜ばしい事ではありますが、
心身共に非常に大きなストレスがかかっています。
1人目の時は大丈夫だったから、
今回も大丈夫でしょうという考え方は注意が必要です。
出産回数が多くなればなるほど、
体はダメージが大きくなります。
なので、
産後にしっかりとケアをしておくと、
次の妊娠時に大きなトラブルが起こりにくくなります。
1人目の時に大きなトラブルがなかったが、
2人目で1人目の時と似たようなトラブルが出てきた場合は、
1人目の時と同様にそのうち治るでしょう!?
と安易に考えないように、早め早めの対応を心がけて下さい。
早めの対応をしておけば、
快適なマタニティライフ&産後の快適な育児生活が出来ますよ。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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