2020年5月22日 金曜日
【症例】産後から常に骨盤周囲に違和感を生じていてお悩みだった方の解消例
産後から常に骨盤周囲に違和感を生じていた。動いている時に時に違和感を生じるが、座っていても感じる。辛くてどうしようもないと言う訳では無いが、常に違和感があるので気持ち悪い状態なので来院された。そんな方の違和感の正体は何なのか?それは、気のせいでもなく産後特有の症状であると考えられた。では、その正体について解説していきますね。
利用者
30代女性 豊中市在住主症状
骨盤周囲の違和感その他の症状
肩から背中にかけてのこり過去に受けていた施術
整体主な施術ポイント
骨盤の安定性
栄養指導施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なうと、
症状としては、産後から骨盤周囲の違和感がある。
特に動いている時に感じるが座っているだけでも感じる。
後、右の肩から背中にかけてのこり感がある
左仙腸関節はハイパー。肩甲骨周囲は筋肉の過緊張&関節の可動性低下。
左仙腸関節の安定性が向上するような施術と、
全体的に筋緊張が強いので緊張を緩和するように施術を行なう。
授乳時などに骨盤や周囲に負担をかけないような座り方を指導。 2回目
3日後来院
骨盤の違和感残存。
右肩から背中は2日間は楽だった。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋の入れ方指導実施。 3回目
1週間後来院
骨盤の違和感軽減。
そんなに気にならなくなってきた。
肩から背中にかけては、右側はましになってきたが左がこり感+
左仙腸関節のハイパーはまし。
肩甲骨周囲の関節の可動性&筋肉の過緊張は解消傾向。
施術は変わらず今までと同内容で実施。
骨盤底筋チェック→弱い→再度骨盤底筋の入れ方指導実施。 4回目
1週間後来院
骨盤の違和感は時々出る程度へ。
背中の痛み残存。
左仙腸関節のハイパーは初回よりはましだが、
そこからの向上が停滞している。
食事に関して話を聞き、鉄分の不足が考えられたので摂取を勧める。
骨盤底筋チェック→前回よりましだが弱い→再指導→別のトレーニング指導も実施。 5~6回目
骨盤の違和感は時々でる。
背中の痛み残存。
背中に対するセルフケアを指導。
骨盤底筋チェック→弱く、狙った部位に効かせられてない→再指導。 7~8回目
骨盤の違和感は週に1~2回出る。
背中の痛みはまし。
背中は抱っこが長くなると、痛くなるがセルフケアをして寝たら翌日は落ち着いている。
左仙腸関節のハイパー自体は解消されている。
関節の問題はOKなので、後は筋肉の強化が出れば違和感は消失すると考える。
骨盤底筋チェック→やはり、目的の部位に効かせれてない→別のトレーニングに変更。 9回目
骨盤の違和感消失。
仙腸関節のハイパー消失。左右差無し。
肩から背中にかけてのこりは無くなったが、重い感じはある。
骨盤底筋チェック→更に強化する必要性はあるが、最低限の強さは獲得。
産前に履いていて、産後に履けなくなっていたズボンが履けるようになった。 10回目~
その後、通院間隔を更に空けてメンテナンスを行って経過観察をしていたが、
骨盤の違和感に関しては生じていない。
肩から背中の重だるさは出たり、出なかったりで、育児の状況によって変わる。
現在は、骨盤周囲をもっと締めたいとの希望があり、
それに向けての、トレーニング指導、栄養指導、矯正をかけている。考察
今回の症例は、産後から骨盤周囲の違和感にお悩みの方でした。 産後に骨盤周囲の違和感やグラグラ感を生じる方は沢山います。
その原因として、骨盤の関節面の不安定性や骨盤底筋などの筋力低下が挙げられます。 骨盤の関節面は、仙腸関節と恥骨結合という2つの関節面から成り立ちます。
本来、この2つの関節は不動関節といい、動かない関節であると言われています。
しかし、妊娠中や産後まもない時期はホルモンバランスの変化で、
この関節が緩み、動かないはずの関節が動きます。
これらは、僅かな緩みや関節の動きではあります。 しかしながら、
本来は動かない関節が、僅かとはいえ緩んだり動く為に、
骨盤は不安定になり、骨盤の違和感やグラグラ感、股関節が抜けそう、
などの色々な症状を訴える原因になります。 そして、
骨盤がグラグラしないように、
骨盤の中から内側に引っ張ってる骨盤底筋も重要です。 骨盤底筋は妊娠中~産後にかけては常に引き伸ばされています。
平均、1.5倍~3.3倍伸びていると考えれらえています。 それが伸びたままだという事は、
関節は緩んでるし、内側から引っ張る骨盤底筋も伸びているので、
骨盤は支える事が出来ません。
その為、骨盤周囲の腰や足を使って過剰に頑張るしかなくなります。 骨盤の関節面の緩みと骨盤底筋の低下が骨盤周囲の違和感の原因になります。
今回の場合もそれが当てはまったのですが、
それだけでは、治りがスムーズにいきませんでした。 その原因は栄養不足です。
特に鉄分の不足が考えられました。 女性は男性に比べると貧血傾向にあります。
それは、生理があるからです。 妊娠中や産後も鉄分は多量に必要になります。
妊娠中は自分の分とお子さんの分が必要になり、
産後は授乳時に鉄分が吸い取られます。 鉄分が少なくなると、
体中の血液が少なくなった状態になり、
体もフニャッとした状態になりやすく、
関節の不安定性や筋力向上がしにくくなります。 そこの部分が、
今回の場合始めに欠けていた部分でした。 鉄分摂取をしてからは、
関節の安定性も筋力も向上がスムーズになりました。 人間の身体は食事から成り立っています。
妊娠中や産後は食事がより重要になってきます。
それを今回のケースではより考えさせられたケースでした。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後の歪み【症例】