2018年12月21日 金曜日
【症例】股関節の痛みと疲労感の改善例
今回の症例は、産後から股関節の痛みと違和感が常に生じており、腰痛肩こりも生じていたケースであった。産後に股関節痛を生じる方は非常に多い。では一体その原因は何なのだろうか?知ってるのと知らないのとでは大きく違います。それでは、その原因と対策を説明していきますね。
利用者
30代女性 池田市在住主症状
股関節の痛み・違和感その他の症状
腰痛
肩こり過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
股関節の安定性向上施術の経過と内容
1回目
全体の検査を行なうと、左股関節の屈曲時に鼠径部に痛み・違和感を生じる。
肩周りの筋緊張+ 側胸部の緊張が特に強い。
股関節がしっかりと関節に収まり、安定化するような調整を行なう。
調整後は股関節の痛み・違和感が軽減。
肩周りの筋緊張、特に側胸部を中心にリリースする。
骨盤の大きな歪みは見られなかったので、骨盤底筋の入れ方指導を行い安定化を狙う。 2回目
翌日来院
股関節の痛み・違和感軽減。
股関節屈曲時の痛み無し。
肩周囲の筋緊張は依然として強い為、筋緊張を緩和するような施術を行なう。
特にアームラインやラテラルラインを中心に行う。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋の強化を図るトレーニング指導実施。 3回目
1週間後来院
左股関節は、歩いたりする時は大丈夫。パンツを履く時に違和感がたまに出る。
股関節が安定化するような施術を行なう。
肩こり、腰痛はあまり気にならない程度へ改善。
骨盤の歪みと骨盤の硬さが気になる。
話を聞くと、普段からお姉さん座りを良くしているとの事。
骨盤の歪みを助長してしまう為、即刻中止にする。
骨盤の歪み・硬さの調整をかける。
前回指導した骨盤底筋トレーニングチェック→あまり効いていない→再指導
しっかりと骨盤底筋に効かせて、自身でもしっかりと解るようになるまで指導。 4回目
1週間後来院
左股関節は、胡座の足を太腿の上に乗せると少し違和感を生じる。
前回あったパンツを履くときの違和感は消失。前回同様で股関節の安定性を高める施術を行なう。
前回再指導したトレーニングチェック→良好→下半身も連動させてより骨盤周囲を安定化させるトレーニング指導実施。 5回目
6日後来院
胡座や横座り時に股関節の違和感が時々でる。
再度、日常生活での座り方等骨盤への負担の掛からない姿勢を指導。
施術としては前回同様で行なう。 6回目
1週間後来院
股関節の違和感若干残っている。
股関節のみならず、仙腸関節など骨盤全体の安定性を狙った施術を行ない、
殿筋などの骨盤周囲のトレーニング指導を行なう。 9回目~
6回目以降、股関節の痛み・違和感は消失。
肩こり、腰痛もほぼ感じない程度へ。
体重は当初から-5kgでキツキツで履いていたパンツが余裕を持って履けるようになった。
現在は、通院間隔を空けてメンテナンスを行い、快適な育児生活を送れるように経過観察中である。考察
今回の症例は、産後からの股関節の痛み・違和感であった。
妊娠中や産後は、リラキシンやエストロゲン、プロゲステロン、HCG等のホルモンの関係性などもあり
全身の関節は緩みが生じる。中でも、骨盤は赤ちゃんを出産する場所なのでより緩みが必要になってくる。
その骨盤と深い関係にある股関節も勿論緩みが生じる。
今回はこの股関節の緩みが原因であったと考えられる。
緩みが出たことによって関節がしっかりとはまっていない状態になっていると、
荷重をかけたり、股関節の運動を伴うと関節がグラついたり痛みを生じたりする。
そこで関節をしっかりと関節面に収めて、その状態を維持出来るように骨盤底筋やその他周囲の筋力強化によって
関節がしっかりとはまった状態で固定出来るように施術を行なっていった。そうすることによって症状は改善に向かっていった。
気を付けて頂きたいのは、妊娠中や産後直ぐの時期は先程も述べたように、関節は緩みやすい。
その為、お姉さん座りのような骨盤が歪んだ状態を強いられるような姿勢を取っていると骨盤は歪みを生じてしまう。
お姉さん座りだったり、足を組んだりは体に悪いのは皆さん何となく解っているけども、
やってしまう方は沢山おられると思います。
しかし、それを繰り返して骨盤が歪んだままで関節が固まってしまうと元に戻すには時間が掛かってしまいます。
普段から意識して悪い姿勢になっていないか等をチェックしたり、
早期にケアを行って骨盤を良い状態で締める事をお勧めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後股関節の痛み【症例】