2019年8月10日 土曜日
【症例】体の至る所が辛い事でお悩みだった方の解消例
産後から、首肩の痛みと、腰痛、手首痛、膝痛と全身に色々な症状が出てお悩みの方のケースでした。育児は心身ともに負担が大きいので、症状が出やすいですがここまで全身に症状が出ていると、大変だった事が容易に想像できると思います。そんな方が、最後には全ての症状が解消に向かった道筋を解説します。
利用者
30代女性 堺市在住主症状
首肩痛
腰痛
手首痛
膝痛その他の症状
特に無し過去に受けていた施術
特に無し主な施術ポイント
関節の可動性
筋緊張の緩和施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、全身に渡って問題がある状態であった。
首肩から頭にかけての緊張感があり、それが強くなると頭痛も生じる。
腰は寝返り時や子供を床から持ち上げる時に痛み。
手首は抱っこをした時などに痛み。
両膝は子供を抱えて立ち上がる時に痛み。
これらが、産後からの症状としてある。
骨盤チェックを行なうと、骨盤は歪み、関節も緩い状態。
それをカバーする為に、殿筋や腰の筋緊張が非常に強い。
印象としては、頭蓋~足部に至るまで全身の筋緊張が強く、関節の可動性が低い。
初回は、全身調整をかけて可動性を出し、疲労を取り除く事を優先的に施術を行なう。 2回目
翌日来院
首肩は昨日より軽減、腰は寝返り時の痛みが軽減、手首の痛み軽減、膝は大きな変化は無し。
昨日に引き続き、可動性や筋緊張を出すための施術を中心に行なう。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
肩周囲の筋緊張緩和の為のセルフケアを指導。 3回目
3週間後
都合により前回より通院間隔が空いたが、
全体的には楽になってきているが、膝、手首の痛みは残存。
施術は今までと同内容で実施。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。 4回目
8日後来院
首肩、手首、腰の痛みは気にならない程度へ。
最近、子供の体重が急激に増えて抱っこの時間が長い為か膝の痛みが非常に強くなってきた。
屈伸をした際や、階段の上り下りは痛みが強く苦痛。
大腿前面や後面、殿筋、鼠径部周辺の筋緊張は非常に強い。
上記部位の筋緊張をリリースし、自宅でも出来るセルフケアを指導。 5~8回目
膝の痛み以外は問題無い。
膝は屈伸時、階段の上り下り時にやはり痛みを伴う。
4回目のペインスケールが10だとすると5くらいとの事。
毎回来院時は下半身の筋緊張は非常に強い状態。
施術を行なうと、屈伸時の痛みは軽減されて筋緊張も緩和される。
ペインスケールは2~3程度には変化する。
しかし、次回来院時には5に戻っている。
下肢の筋緊張部位や可動性の悪い部位を中心に施術を行っていたが、
それだけでなく、緊張状態になるのを回避する為に疲労除去を目的とした施術も行なう。 11~15回目
膝のペインスケールは3まで落ちたが、
施術を行って、1になるが次回来院時は3に戻るというのが何度か続きあと少しが取り除けない状態であった。
そこでもう一度身体全身をチェックかけると、股関節の外旋可動域だけが低い事が解った。
これが、骨盤の安定性が最大にならず膝関節へ負担をかけていると仮定。
股関節外旋可動域を出すための施術を徹底的に行い、自宅でも出来るセルフケアも指導。
そうすると、初めは1週間、それから2週間と通院間隔を空けていっても膝の痛みが気にならなくなった。
現在は、更に通院間隔を空けてメンテナンスを行い、経過観察を行っている。考察
今回の症例は産後からの色々な部位の痛みにお悩みのケースであった。 首肩からくる頭痛は肩周囲の筋緊張を取り除くと比較的早期に痛みは無くなっていった。 頭痛は1~2回目以降からは生じなくなっていた。 腰の痛みは仙腸関節や腰椎の動きの悪さ、骨盤の緩みから来ていたと考えられた。
その為、骨盤の安定性が高めると比較的早期に気にならなくなった。 そして、手首の痛みも生じていた。
手首の痛みは産後に非常に多く生じる問題である。
特に慢性化してしまうと、育児のみならず日常生活にも支障が出てくる。
包丁が使えない、ペットボトル空けれない、瓶の蓋が回せないなどなど。
今回の場合は痛みが生じてから比較的早く、
状態としても非常に悪い状態では無かったので数回の調整で気にならなくはなった。 今回、難しかったのが膝の痛みであった。
来院当初は膝の痛みはそこまで強くなかった為、別の部位を中心に施術を行っていた。 しかし、子供の体重が増えたり抱っこの頻度が増えた事によって膝の痛みが強くなっていった。
産後は、どうしても膝を曲げる回数が非常に多くなる。
オムツ替え、子供をベッドに寝かしたり、ベッドから持ち上げたり、
1日で何十回も膝の曲げ伸ばしをしている。
そこに、子供の体重増となるとかなりの負担が掛かってくる。 勿論それだけが原因では無く、ホルモンの関係や筋力低下の問題もある。
しかし、その中でも毎日の育児疲労の影響は大きいと考えられる。 実際、毎回施術前は下肢の筋緊張が非常に強い状態であった。
施術を行なうと筋緊張は軽減され、屈伸の痛みは消失するが
1週間後に来られた時には1週間前と同じような状態に戻っていた。 そこで、もう一度身体全体を検査し直してみると、
股関節の外旋角度が両側とも非常に低かった。
外旋角度が低い事によって、
関節の安定性が100%にならずに下半身の筋肉や膝関節に過剰に負担が掛かっていたと考えられる。 また、育児でしゃがんだりする時の足の位置によって、
股関節の内外旋を生じるがその際に外旋が出ない事によって余計に負担が掛かっていたと思われる。 身体の歪みを整え、関節の安定性を高める為のトレーニングを行ない、関節の可動性を高める。
これらによって、身体は健康な状態となる。 産後は、色々な部位に身体的ストレスをかけます。
ですので、しっかりとこれらの調整を行なう事によって快適な育児生活を送れるようになるので、
産後はしっかりとしたケアを行なう事をお勧めします。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後の歪み【症例】