2019年4月5日 金曜日
【症例】授乳時や抱っこ時の手首の痛みからの改善例
今回の症例は、産後からの腱鞘炎でお悩みの方です。育児はどうしても身体中に負担が掛かりやすいです。
その中でも、手首は非常に多くの方が痛めるポイントです。原因は手首の使い方に問題があります。その使い方を知らなければ例え女性より筋力がある男性であっても、直ぐに手首を痛めてしまいます。では、手首の痛みがあった方の回復までの道のりを説明します。

利用者
30代女性 豊中市在住
主症状
右手首の痛み
その他の症状
肩こり
右足首
両膝
過去に受けていた施術
マッサージ
主な施術ポイント
関節可動性
筋緊張の緩和
施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なうと、
右手首は抱っこや物を持つ時に痛みを伴う。
日常生活にかなり支障が出ている。
肩こりは慢性的に。
足首は底屈時・グルグル回すと外果周辺に痛み。
両膝は屈伸時に痛む。
右橈尺関節の可動性の悪さ、右前腕の筋緊張が強い、
背中の緊張は非常に強く、頸椎・胸椎の可動性は非常に悪い。
骨盤の可動性悪く、やや反り腰である。
上記の部分の調整を中心に全身調整を行なう。
2回目
翌日来院
右前腕の筋緊張はましだが、その他の部分は残存。
昨日と同内容の施術を行なう。
骨盤底筋の入れ方指導実施。
脊柱の可動性を出すためのセルフケアを指導。
前腕の緊張緩和の為のセルフケア指導。
3回目
10日後来院
右手首の痛みは初回来院時に比べると半分ぐらい楽になった。
日常生活への支障が大分減った。
肩こり・膝痛・右足首の痛みが残存。
頸椎・胸椎の可動性は初回に比べれば良くなっている。
右橈尺関節等の関節の可動性は向上。
右前腕の筋緊張リリース・脊柱の可動性・距骨の調整を中心に行なう。
骨盤底筋チェック→弱い→再指導を行い骨盤底筋の強化を図る。
5回目
右手首の痛みはたまに抱っこの時に痛みが出る事がある程度。
肩こりは初回時からは半減。
右足首はどの方向に動かしても痛みは生じないようになった。
両膝の痛みは消失。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋や周囲の筋力強化を狙ったトレーニングを指導。
腰周囲が以前に比べると安定した感じがするとの事。
6~7回目
右手首の痛みは、たまに出る状態。
肩こりは長時間抱っこをした時等は一時的にしんどくなるが、
朝起きたらしんどさは解消されているレベルへ。
骨盤底筋のみならず、下肢の筋肉も連動させたトレーニング指導実施。
8~10回目
右手首の痛みは消失。
肩こりも長時間抱っこしてもしんどさを感じなくなった。
以前よりも身体全体が強くなった気がするとの事。
手首の関節の可動性良好・過度の筋緊張もない。
頸椎・胸椎の可動性の悪さ、骨盤の硬さ、反り腰などの初回にあった問題点も解消。
この間は通院間隔を空けて、メンテナンスを行い経過観察を行なっていたが、
症状が再発する事も無く、産後に履けなくなったパンツも余裕で履けるようになり、
体重も産前の状態に戻った為、これにて産後の骨盤矯正を一旦終了とした。
考察
今回の症例は産後からの腱鞘炎や肩こりであった。
産後の腱鞘炎になる方は非常に多い。
原因は明白である。
毎日毎日抱っこしたり、授乳したり・・・。
これはある意味腱鞘炎になるべくしてなっていると言っても過言ではない。
当院では男性スタッフが患者さんのお子さんを抱っこする事がよくある。
一般的に女性より男性の方が筋力があるのは間違いないのだが、
40~50分抱っこしただけで手首に違和感・痛みをが生じる事がたまにある。
それくらい育児は手首に負担を掛ける行為なのである。
特に初産の場合、腱鞘炎になる確立が高い。
何故なら、子育てのノウハウが解らず毎日一杯一杯。
本で読んでいた通りに進むこともあれば、進まない事もある。
そうすると、肩の力は入り、肘も手首も力が入り、毎日過緊張状態で育児をする。
そんなことをしていると、余計な力が入った状態で育児をしているので
筋肉は過剰に疲れてくる。また、関節は安定させようとして固まってきて可動性が悪くなってくる。
こうなってくると、一時的に痛くない方の手で抱っこをしたりを誤魔化したりしていても一向に痛みは減らず、
最悪の場合抱っこできない、包丁持てない、ドアノブ回すの痛い、ペットボトル空けれないなどの状態に陥ってしまう。
そうならないためも、抱っこは力で支えるものでは無く、体の使い方を理解して効率的に支えるものである。
そうすることで、最悪の状態になる事は防げる。
簡単に説明すると、手首が小指側に曲がっている状態は痛みが生じやすいです。
なので、手首は常に親指側にも小指側にも手の平側にも手の甲側にも過度に曲がっていない状態で
抱っこや、授乳をする事が重要なのです。
腱鞘炎は慢性化してしまうと、改善までに時間が掛かってしまう。どうしても毎日使うので負担が掛かってしまうからです。
なので、腱鞘炎でお悩みの方はなるべく早めに専門院で調整をしてもらう事をお薦めします。
※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。
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