2026年6月1日 月曜日
怪我をした後に自然治癒ではダメな理由
〜“痛みが消えた=治った“ ではない〜
「自然治癒力」
これは人間に本来備わっている素晴らしい力です。風邪が治る、切り傷が塞がる、捻挫の腫れが引く。私たちの身体は常に自分で回復しようとしています。
例えば
怪我をしたり、傷めた際も痛みはある程度すると引いてくるケースがほとんどです。
しかし、
ここで重要なのが 「痛みがなくなった=完全に治った」とは限らないという事です。
実際、私たちの現場でも
「昔痛めた場所がまた痛くなった」
「クセのように同じ場所を繰り返す」
「病院では異常なしだけど違和感が残る」
という方は非常に多く来院されます。
ではなぜ、自然に痛みが引いたのに再発したり、違和感が残るのでしょうか?
その理由は大きく2つあります。
Contents
理由① 痛みが取れたは“元通り”とは限らない
痛みというのは、多くの場合時間の経過とともに軽減していきます。例えば、
・ぎっくり腰
・肉離れ
・捻挫
・首の寝違え
・肉離れ
・捻挫
・首の寝違え
なども、数週間〜数ヶ月で症状が落ち着くケースがほとんどです。
そのため、「自然治癒した」「もう治った」
と考えがちです。
しかし実際には、 “痛みが消えただけ” という状態になっている事も少なくありません。
(ちなみにぎっくり腰、肉離れ、捻挫、首の寝違えは再発率のかなり高い疾患です)
傷跡のようなものが残る

組織は修復されますが、完全に新品同様に戻るわけではありません。
イメージとしては“鉄を溶接した跡”のような状態です。
一度ダメージを受けた場所は
・硬くなる
・癒着する
・動きが悪くなる
・周囲との滑走性が落ちる
このような状態になります。
治療の世界ではこのように呼ばれます
・トリガーポイント
・筋膜の癒着
・瘢痕組織
このような状態になると普段は問題なくても
冷え
疲労
圧迫
同じ姿勢
気圧
よくある「昔の古傷が痛む」というのは、まさにこの状態と考えられます。
理由② 脳が“そこは危険な場所”として記憶してしまう
もう一つ大切なのが、脳の問題です。
実は痛みは、単純に“組織の損傷”だけで決まっているわけではありません。
怪我をすると脳は、「そこを守らなければ危険だ」と判断します。
そうなると以下のような反応を起こします。
無意識にかばう
動かさなくなる
力が入る
過敏になる
これは本来、身体を守るための正常な反応です。
しかし、この状態が長く続くと脳の中で””その部位の存在が大きく書き換えられて””しまいます。
痛みが“脳に学習”されてしまう
本当は組織がある程度回復しているのに、なんとなく怖い
違和感がある
また痛めそう
すると脳の中で“その場所の存在感”がどんどん大きくなってしまいます。
結果として、
・姿勢が崩れる
・歩き方がおかしくなる
・身体の使い方が偏る
・他の部位まで痛くなる
という悪循環に入ります。
慢性的な腰痛や関節の痛みが長引く方に、このパターンは非常に多いです。
「もう大丈夫」と身体と脳に教える必要がある
だからこそ大切なのは、ただ安静にして自然に治るのを待つだけではなく、
組織の回復を促し
正常な動きを取り戻し
脳に“安全”を再学習させる
という事です。適切な刺激や運動、施術によって
「普通に動かしても大丈夫なんだ」
と身体と脳の両方に再認識させる必要があります。
「自然治癒力を上げる」だけでは足りない事もある
よく「自然治癒力を高めましょう」
と言われます。
もちろんそれ自体は大切です。
ただ、それ以前に必要なのは “傷んだ局所をきちんと改善する事”
局所の状態が悪いまま
・血流だけ良くする
・自律神経だけ整える
・栄養だけ摂る
という事をしても、再発を繰り返すケースは少なくありません。
まずは、
* 組織
* 動き
* 神経の反応
* 身体の使い方
をしっかり元に戻していく事。
それが結果的に、本来の自然治癒力を最大限発揮できる状態につながります。
まとめ
自然治癒力は確かに素晴らしいものです。 しかし、「痛みが消えたから終わり」
ではなく、
* 組織がどう治ったのか
* 動きは戻っているか
* 脳が過敏になっていないか
まで考える事が、再発予防にはとても重要です。
「様子を見ましょう」
「日にち薬」
これらが慢性痛を作る要因になります。
そしてもっとタチが悪いのが「自然治癒力をあげましょう」的な”治療した風”でなんとなく痛みが取れたパターンです。
痛みが取れたので組織の状態もよくなっていると勘違いしてしましますが、
これも再発し慢性化する可能性があります。
まずは出来るだけ組織の状態を元通りにする施術が必要だと私たちは強く感じています。

