2018年10月12日 金曜日
【症例】2人目出産後からの右足付け根の痛み
今回の症例は、産後から足の付け根が痛むというケースであった。産後の足の付け根の痛みや違和感を感じる方は非常に多い。産院では妊娠中や産後はそんなもんだから、そのうちに大丈夫になるよと言われたが、日に日に増していく。母親が人工関節なので自分もこのままでは同じ運命に?!という事で不安になり来院された。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
右足の付け根の痛みその他の症状
肩こり過去に受けていた施術
特に無し主な施術ポイント
骨盤底筋の強化施術の経過と内容
1回目
歩行時など右足に体重をかけると右の付け根に痛みが生じる。
骨盤の大きな歪みは見られないが、緩みは顕著。
脊柱全体の硬さで可動性が悪い。
骨盤底筋の入れ方指導。
骨盤調整をかけて、強制的に緩んだ骨盤を締める。
そこに骨盤底筋の力を入れさせて、骨盤の安定性獲得を目指す。
脊柱の可動性を出す施術を行なうが、特に頸椎の可動性が悪いので集中的に調整を行なう。
骨盤や股関節へのストレスを減らすために、普段からの座り方について指導。 2回目
3日後来院
症状に大きな変化なし。
肩の凝り、重さが軽減した。
施術は前回と同内容で実施。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋や骨盤周囲の強化を目指したトレーニング指導実施。 3回目
6日後来院
付け根の痛み、日常生活においてはあまり気にならなくなった。
しかしながら、長時間抱っこしていたりするとジワーッと痛みが生じてくる。
施術は前回までと同内容で実施。
ここ数日、腰の痛み。
大腰筋の緊張、仙腸関節の硬さ、殿筋群の緊張が見られたので、緩める。
施術後は腰の痛みは低下。
骨盤底筋チェック→前回指導したトレーニングが狙った部位に効いていないので再指導実施。 4回目
5日後来院
付け根の痛み、長時間抱っこ時や寝返り時に痛みが生じる事がある。
腰の痛み、若干残っている。
付け根へのアプローチと肩、腰へのアプローチを行なう。
前々回指導した、トレーニングチェック→狙った部位に未だ効いていない。
しっかりと効いている感覚が解るまで指導。
また、骨盤底筋だけでなく下肢の筋肉も連動させて動けるようなトレーニング指導を追加。
肩こりなどの肩周囲へのストレス軽減の為のセルフケア指導。 6回目
右付け根の痛み、肩こり、腰痛も消失。 8回目~
右付け根の痛み、肩こり、腰痛再発していない。
骨盤の緩みは改善傾向。脊柱の硬さも改善傾向
骨盤底筋の状態も良好。
現在は、産後から体重が大分増えて未だ元に戻っていない為、
産前の状態へ体重を戻し、骨盤周囲も締めたいとの事で
メンテナンスを行いながら、体を絞る為のトレーニング指導等を行って経過観察中である。考察
今回の症例は、産後から生じていた右付け根の痛みと肩こりであった。
今回、2人目の出産であったが右付け根の症状は妊娠中からあった。
妊娠中は違和感程度であったが、医師からはそのうち治ると言われていた。
しかしその後、日に日に違和感が大きくなり、産後になると歩行時に体重をかけると
カクンと抜けるような感じになり痛みを生じていた。
この方の、母親が若くして股関節の人工関節を入れており、こういうったものは遺伝すると言われていて、
私もこのままでは、人工関節になってしまうのかと怖くなって来院された。
原因としては、骨盤底筋の弱りによる症状であった。
骨盤底筋の弱りにより、股関節へのストレスがより増加したことにより出ていた症状と思われる。
本来は、骨盤と股関節は連動して自分の体重を支えたりしているが、その骨盤が骨盤底筋の弱りにより
体重を支える事が出来ず、その分股関節への負担が増え、ストレスが沢山掛かったときに支えきれなくなって
カクンという感じで症状が出ていたと思われる。
人間の身体はすべて、連動している。どこか一つの部位だけが動いているように見えても、
実は色々な関節や筋肉、靭帯等が協力し合って体を動かしている。
その為、その中のどこか一つでも機能が落ちてしまうと、痛みや違和感として症状が生まれる。
肩こりに関しては、産後はどうしても抱っこ、授乳等で肩への負担は大きくなる。
なので、しっかりケアをしてコリが出づらい状態に整えて、毎日のストレスをしっかりと除去出来るようなセルフケアを
しっかりと実施する事が出来れば、今回のように症状の改善が見られるであろう。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後つけ根の痛み【症例】