2019年11月9日 土曜日
【症例】10年前からの肩こりが産後に更に悪化してお悩みだった方の解消例
妊娠する10年前からの肩こりと5年前からの腰痛を生じていたが、妊娠出産を経て育児をしだすと症状がより悪化して毎日が一杯一杯の状態でした。腰痛に関しては医師からは手術しかないと言われていたが、育児をしている中で手術をしている場合ではないと考え、整体でどうにかならないかと考え来院された。そんな昔からの症状でお悩みだった方が回復するまでの道のりを解説していきますね。
利用者
30代女性 箕面市在住主症状
肩こり
腰痛その他の症状
頭痛過去に受けていた施術
マッサージ
整体
鍼灸治療主な施術ポイント
骨盤の安定性
身体全体の協調性施術の経過と内容
1回目
問診を行なうと、肩こりは妊娠前の10年以上前からあった。
それが、産後に更に悪化したような状態であった。
肩こりが強くなると、頭痛も比例して出現する。
腰痛も5年前から発症しており、足の痺れも時々生じていたが
医師からは手術以外はどうしようもないと言われているとの事。
但し、初回来院時には痺れは若干あるが、痛みは以前よりましな状態との事。
肩周囲は筋緊張が非常に強い。肩関節の外転・挙上などもスムーズ感がない。
骨盤は非常に緩い状態。更に仙腸関節の可動性が左右で違う。
頭蓋骨の特に頭頂骨の固さが非常に顕著。
内臓の状態をチェックすると、肝臓に疲労反応がある。
先ずは、全身の循環を促す施術を行ない、
仙腸関節の可動性のアンバランスを整え、骨盤の安定性を高めるような施術を行なう。
肩周囲の筋緊張緩和の為のセルフケアを指導。 2回目
3日後来院
肩こりは特に大きな変化は無し。
腰は、このままいくとヤバイという様な感じがあった。
骨盤の緩さ等も加味して、先ずは腰痛へのアプローチを優先させる。
骨盤を中心とした施術を行ない、骨盤底筋の入れ方指導実施。 3回目
腰痛残存。痺れも+。
肩こりは前回後、そんなにはあまり気にならなかった。
今回も、腰痛に対する施術を中心に行う。
仙腸関節の左右のアンバランスは改善傾向。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤底筋を強化する為のトレーニング指導実施。 4回目
腰痛落ち着いてきた。
肩こりもそこまでは気にならなかった。
腰の症状が落ち着いてきたので、再度胸郭周囲の調整、頭蓋骨の調整を行なう。
勿論、腰に対するアプローチも引き続き行う。
骨盤底筋チェック→自己流に陥っており、あまり目的の部位に効いていない→再指導 5~7回目
腰痛に関しては、痛みまでは行かないが違和感が出たり出なかったりが続く。
肩こりは育児の具合によって症状が悪化する時もあった。
骨盤の安定性も中々持っていきたい所まで行かず、停滞気味。
骨盤底筋トレーニングチェック→目的の部位にどうしても効かせることが出来ないとの事で、
トレーニングの方針を変え、下肢等アウター強化を先に行う。
施術は、根気強く今までの施術を続ける。 8~11回目
肩こりに関しては、少しこってるなと感じる程度へ。
頭痛は最近生じていない。腰は違和感残存。
骨盤の安定性は徐々に高まってきている。
トレーニングチェック→目的の部位へしっかりと刺激は行っている。
トレーニングは徐々に全身を使った協調性トレーニングへとシフトしていって、
体全体で自分をしっかりと支えられるように目指す。 12~13回目
肩こりはたまにハリ感を感じる程度へ。
腰痛は痛み、痺れ、違和感もほぼ生じない状態へ。
たまに、育児疲労で腰痛が出る事があるが、
寝て起きたら翌日には解消されている。
通院間隔を空けて、症状の再発が行らないように注視しながら経過観察をしていたが、
大きな問題は生じなかった為、これにて産後の骨盤矯正を一旦終了とした。考察
今回の症例は産前からの肩こりが悪化したのと、産前からの腰痛でお悩みの方でした。
また、肩こりが酷くなると頭痛も比例して症状が生じる状態であった。 肩こりに関しては、10年前から発症していた。
それが、出産して育児をしだすと抱っこや、授乳やらで肩に負担が掛かるからか更に悪化しだした。
頭痛もそれに比例して頻繁に生じるようになっていた。 腰痛は5年前から発症しており、医師からは骨の変形もあるので手術しか選択肢は無いと言われたとの事でした。
しかしながら、産後は手術をしている場合ではないので、何とか整体でならないかという事で来院された。 肩こりに関しては、長期間患っていたのもあり、
正直これはこのまま一生付き合っていかないと駄目だと思っているとの事でした。 肩周囲に関しては、非常に強い筋緊張がみられました。
また、頸椎、胸椎、腰椎など胸郭周囲の関節の可動性も非常に悪い。
その為、関節が動かない分、過度に筋肉に負担をかけてしまっているような状態でした。
それが、肩こりの大きな要因であったと思われます。 腰痛に関しては、骨盤は非常に緩い状態でした。
なので、先ずは骨盤の安定性を高める事を優先的に行ないました。 骨盤は上半身と下半身を繋ぐ重要な部位です。
ここが弱いと、歩行動作にも支障がでると言われています。 骨盤の安定性を高めるためには骨盤底筋の強化は必須なのですが、
ここが中々向上しませんでした。 通常であれば、インナー強化してからアウター強化へと移行するのですが、
今回はインナーが中々、患者さん自身が感覚が掴めないのもあって、
順番を変えて、アウターを入れていく中でインナーも刺激を受けて、
それによってインナーが活性化する事を狙って指導しました。 結果的にそのアプローチ方が上手くいきいました。
ここに関しては、もう少しその判断を早く出来れば良かったなと反省しています。
また、どの方でも感覚を掴めるような指導が出来るように再度勉強をしようと考えさせられました。 そして、全体的な感じとして身体の使い方が上手くないと感じました。
全身の筋肉を使って身体を動かしたり、支えたりするのが理想ですが、
一部の筋肉を使って生活をしている印象でした。 なので、局所だけで身体を動かすのではなく、全身の筋肉を協調させて使えるような身体になるように、
トレーニング指導をする事も重要でした。 例えば、抱っこをするにしても手首だけで支えようとするのではなく、
体幹入れて、腕使って、肩使って、背中使って・・・という風に使えば身体への負担は軽減されます。
そう言う、大きな仕事も最低限の力で出来るようになれば育児生活ももっと楽になります。 肩に関しても、腰に関しても、最終的にはインナーがしっかりとした上で、
アウターが機能した事で症状が安定したと考えられました。 産後はある意味、そういう自分の身体をもう一度見つめ直すという意味では、良いタイミングだと思います。
産前からお悩みがある方はこの機会に専門の機関にて身体をチェックしてもらって、見つめ直してみて下さい。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 肩こり【症例】