2018年5月25日 金曜日
【症例】背中の痛み
産後に育児をしていく中で、首や背中の痛みは非常に起こりやすい症状である。何故なら、授乳したり、抱っこしたり、スマートフォン触ったり・・・としていると、自然と後ろ側に負担が掛かりやすい。しかしながら、その行為を止めれない部分もある。ではどの様にこの症状が緩和に至ったかをご説明します。
利用者
30代女性 茨木市在住主症状
背中の痛みその他の症状
疲労感過去に受けていた施術
マッサージ主な施術ポイント
胸椎の可動性低下施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行なっていくと、疲労感が強く背部の緊張が強い。
骨盤の高さの左右差があり歪みが見られる。
施術は疲労軽減と歪みの大きい部位の調整・筋緊張の強い部位のリリースを行う。 2回目
3日後来院
症状の大きな変化はない。
脊柱において、頸椎・腰椎の可動性はあるが、胸椎の可動性が少ない。
その、可動性の少なさが背部により負担を与えていると仮定して、
胸椎の可動性を出すような施術を行なう。
骨盤の緩さがみられる為、骨盤底筋の入れ方指導。 3回目
8日後来院
背中の痛み少し、落ち着いてきた。
胸椎の可動性改善も、未だ不十分の為継続して調整を行なう。
骨盤の緩さ改善傾向。
骨盤底筋チェック→良好→更に骨盤の安定性を高めるトレーニング指導実施。
授乳時や授乳後に痛みが強くなるとの事で、授乳時に身体に負担の掛かりにくい座り方を指導 4回目
8日後来院
背中の痛みほぼ消失
前回指導したトレーニングチェック→良好→更に腹筋等を動員したトレーニング指導実施 5回目
2週間後来院
背中の痛みは消失も、疲労感が抜けきらない
検査を行なうと、非常に身体が重く循環不全に陥っている。
循環不全改善の為に、内臓調整を中心とした施術を行なう。 6~8回目
背中の痛みはその後も再発はせず。
疲労感は良かったり、悪かったりを繰り返していた。
育児の負担が上がれば、疲労感も当然のごとく上昇していた。
しかし、問題はそれを自身で除去出来ていない点であった。
その為、しっかりと自身で循環を促して、老廃物を除去出来るように身体の調整をかけた。 9回目~
疲労感改善
育児の負担が増えても、動じない身体になってきた。
この時点で、体重-5kgでベストに戻っていた。
しかしながら、この患者さんは骨盤底筋は良好だが、
一緒に連動して働く際に重要となる下肢の筋力が非常に弱い。
その為、現在は身体のメンテナンスをかけながら下肢の筋力向上の為のトレーニング指導や
栄養指導を行い、経過観察中である。 考察
今回の症例は、産後からの背中の痛みと疲労感が抜けないとの訴えであった。
背中の痛みは育児をしていると非常に痛めやすい。
何故なら、抱っこや授乳はどうしても背中に負担をかけやすいからです。
また、その負担の掛かる姿勢で長時間いると胸椎(脊柱)の可動性が低下し筋肉の緊張も強くなる。
今回のケースも、胸椎の可動性が低下してしまい、それによってその分が筋肉にしわ寄せが来て、
筋緊張が過剰になって痛みとして生じていたと考えられる。
背中の痛みは、その動作が負担になっている事が解っていてもその動作を避けることが非常に難しいので、
慢性化しやすい。なので、慢性化する前にしっかりとセルフケアをしておくことが重要である。
一方、疲労感に関しては、この患者さんは3人のお子さんがいらっしゃる。
3人の育児となると、子供を保育園に送って、授乳して、買い物行って、帰ってきたら、子供をお迎え行って・・・。
というのが、毎日の日課になる。その上、一番下が夜泣きしたり、上の子がゆうこときかなくて・・・。
と、なってくると産後で弱っている身体の回復力は中々戻ってきません。
本来は、寝て起きたら自然治癒力の働きで疲労感はある程度消失しているのが普通です。
しかし、それが全く感じられないということは、疲労物質等が除去されず体内に留まっている可能性が高い。
そうなると、いくら長時間眠っても寝た気がしない。ということになりかねないので、そうならないように
産後は早めに身体のケアをして、自分で治せる身体を作った上で充実した育児生活を送ってほしいです。 ※個人の例です。全ての方に効果を保証するものではありません。関連記事タグ : 産後背中の痛み【症例】