2018年6月29日 金曜日
【症例】どの体勢でも痛い腰
今回の患者さんは、木彫りをするのが趣味であった。その関係で一日中座っている事が多かった。人間、どんなに良い姿勢でもどんなに良い椅子やクッションに座っていたとしても長時間の同じ姿勢は非常に体にストレスを与える。今回も座り姿勢が原因で身体の循環不全に陥っていた。そんな方の回復までの道のりです。
利用者
60代男性 箕面市在住主症状
腰痛その他の症状
下半身のむくみ・だるさ過去に受けていた施術
鍼治療主な施術ポイント
循環不全施術の経過と内容
1回目
問診・検査を行って行くと、
腰は座っていても、立ってても、寝てても痛いとのこと。
内臓(肝臓・胃)で反応有り。
脊柱全体の硬さ、下半身はむくみがみられる。
その為、内臓調整を行ないむくみに対する施術を行なう。 2回目
1週間後来院
腰の痛み少し軽減した。
しかしながら、脊柱の硬さがみられ、内臓(肝臓・胃・小腸)で
反応がみられたので、同部位の施術とリンパトレーナージを行い
全身の循環を促す施術を行なう。 3回目
5日後来院
前回からは大きくは変わらず。
前回同様で、リンパトレーナージを含めた循環を促す施術と、
脊柱の硬さ改善に向けた施術を中心に行なう。 4回目~7回目
9日後来院
痛みは軽減してきたが、重い感じが生じる。
家では長時間座っている事が多く、
そこから後が腰の重さが長時間続く。
鼠径部の圧迫や、骨盤へのストレスが多く掛かっていると考えられ、
内腸骨動脈の解放、仙腸関節を中心とした骨盤調整を行なう。
また、脊柱に対するアプローチと下肢の循環を促す施術も前回までと同様に行なう。 8回目
腰の重さ軽減。そんなに気にならない程度に改善
内臓(肝臓・膵臓・胃)で反応あり、仙骨の自動運動を促し、
環椎後頭関節の解放も行ない、循環を促す施術を中心に行なう。 9回目~10回目
腰の重さ、下半身のむくみやしんどさは消失。
一度、ハイキングに行って足がしんどくなったが、
寝て起きたら、翌日には足のしんどさは消失していたとの事で、
自然治癒力がしっかりと働いていると判断し、
今回にて一旦終了とし、何かあればまた来院するようにお伝え。考察
今回の症例は、座っていても、立っていても、寝ていても腰が痛いという患者さんであった。
この方は、趣味で木彫りのスタンプをよく作ったりするのだが、
一度作業に入ると休憩は殆ど無く、長時間座ったままになる事が非常に多いとの事だった。
恐らく、それらの動作が骨盤~脊柱~環椎後頭関節の可動性を低下させた。
それによって、筋肉への負担が掛かり脳脊髄液の流れが悪くなる。
また、所謂猫背姿勢になった為に内臓が圧迫されて窮屈な状態を強いられた事により、
内臓の循環不全が起こったものと考えられた。
また、長時間座っていると、鼠径部が圧迫される。
そうすると、鼠径部には大きな動脈や静脈、リンパが通っているのだが、
これらが、圧迫を受け骨盤内や骨盤周囲の循環が悪くなり、余計に下半身の循環が悪くなり、
下半身のむくみ、だるさを生じていたのではないかと考えられる。
元々、人間の身体はどんなに座り心地の良い負担の掛かりにくいと言われている椅子に座っていたとしても、
15分以上同じ姿勢で座っていると身体はダメージを負ってしまい、痛みを生じやすいと言われている。
なので、どうしても長時間座らなければならない場合には、15分位で同じ姿勢から解放してあげる。
数秒間、伸びをしたり、身体を捻ったりするだけでも構わないのでそのような動作を行なう事で、
身体への負担は大分軽減出来ます。ちょっとの事で、その後の生活の質が変わるので
長時間座っている事が多いなと思い当たる方は、意識してみて頂きたいです。関連記事タグ : 腰痛【症例】